クロネコ遺伝子-生き続ける「小倉昌男イズム」-

「失敗を他人のせいにしない」――その段階で自らの成長はない 岡田知也氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 クロネコ遺伝子とは、「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親である小倉昌男氏が愛情を注ぎ育て上げたヤマト運輸の遺伝子であり、小倉氏の人格そのものです。では、その遺伝子とはどのようなものか? 一歩離れたところから、かつて小倉氏から直接受けた言葉やその行動を振り返りながら、強いクロネコ遺伝子の秘密を私なりにまとめたいと思います。

心のネクタイをはずせ

 学生にとって会社に就職するということは、大人になったという実感と、頑張らなくてはならないという気負いがあるものです。私も大きな希望と不安のなか、社会に一歩足を踏み入れました。

 ヤマト運輸本社での研修を終えた私は、職場に配属になりました。千代田区を担当する営業所です。私の初めての職場は、まさしく現場です。仕事内容は、多くのセールスドライバーが集配した荷物の管理や、内勤者などとともに伝票処理や、お客様対応をすることなどです。現場では常に荷物管理が基本になりますから、日中の時間帯の服装はスーツにネクタイではなく、作業着というのが本来、機能的でした。

 しかし、大学を出たばかりの若き日の私には、会社勤めといえばオシャレなネクタイにビシッとスーツを着て働く姿のイメージがありましたので、正直、作業着で働くことに抵抗がありました。とはいえ、学生時代にも運送会社でアルバイトをしていたほどでしたから、仕事自体は好きでしたし、希望して入ったヤマト運輸ですから、会社や仕事自体には何も不満はありませんでした。

 ただそれでも、会社で働くことに対する、私なりの思いは捨てきれず、配属後もスーツを着て仕事をしていました。スーツ姿で構内(荷物置き場)で汗を流す姿を見ても、当時の上司は何も言いませんでしたが、おそらくは「あいつ、スーツなんか脱いで作業着になったほうがよいのにな」と、そう思っていたにちがいありません。上司だけではなく、セールスドライバーや内勤者なども同じ思いを持っていたのかもしれません。

関連情報

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。