「なぜか売れる」の公式

「知る、買う、また買う」の好循環サイクルをつくる マーケティング アイズ代表取締役 理央 周

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 私の友人に、清水絵津子さんというコミュニケーション講師がいます。セミナーや講座の依頼がひっきりなしに入る、たいへん人気のある方です。

 少し前、そのビジネス最先端を行く彼女、しかもコミュニケーションを専門にする講師であるのに、フェイスブックをやっていなかったため、なぜやらないのかと聞いてみました。すると彼女、「私のお客さんは誰もやっていないから」と即答しました。

 その数カ月後に、私に彼女からフェイスブックの友達申請が来ました。驚いて、「どうして始めたの?」と聞くと、今度は、「私のお客さんが始めたから」と、やはりこのときも即答しました。

 私はこれが正解だと思います。彼女は、自分の顧客が見ていない媒体にかかわることに、労力や時間を費やしても無駄になると考えていたわけです。

 本連載冒頭のCDショップの事例を思い出してください。売れ筋の中心が演歌と歌謡曲という店であれば、主要顧客層はシニア層が中心と類推できます。このお店の顧客の行動パターンを考えた場合、どんなに熱心にSNSで新譜情報を流しても、ほとんど効果は期待できないと考えるのが合理的です。

 「どうやって」を考える際には、自分の顧客が接しているであろう媒体を選んで、効率よく伝える必要があるというわけです。

メッセージを乗せる、一番いい「乗り物」は何?

 では、具体的に顧客に認知してもらうために、もっとも多くの人が考える方法、広告やPRなどを用いたコミュニケーションについて考えてみましょう。広告やPR戦略については、いろいろな理論があるのですが、一般の方が覚えても実効性が低いので、ここではかなりざっくり、2つの要素から考えておきます。

 ひとつは「表現」、もうひとつは「媒体(メディア)」です。

 まず「表現」です。これもかなりシンプルに、「コピー」と「イメージ」からなると理解しておきます。

 コピーというのは、つまり、その商品の価値、メッセージを文字、言葉によって表現することです。キャッチコピー(一言で印象づけるキャッチフレーズ)やボディコピー(キャッチだけでは説明できない商品紹介)などがあります。さらに、イメージというのは、動画、写真、デザインなど、やはり商品の価値、メッセージをビジュアルにどう表現して顧客に伝えるかと理解しておいてください。

 この「表現」をどういうものにするかは、とても難易度の高い仕事で、正解というものがありません。広告業界では、いわゆる「クリエイティブ」と呼ばれる分野の仕事になります。コピーライターやグラフィック・デザイナーなどプロの力を借りることもありますが、そういった専門家に頼ることなく、自分たちで頭を使って考えることも少なくありません。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。