「なぜか売れる」の公式

「知る、買う、また買う」の好循環サイクルをつくる マーケティング アイズ代表取締役 理央 周

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「美味しいお茶は?」で、商品名が浮かびますか

 この「認知」と「想起」の違いを具体的な商品で説明すると、こうなります。

 ある会社のAさんが、職場の後輩であるBさんにペットボトルのお茶を買ってきてくれるよう頼む状況を思い浮かべてください。

「Bくん、ペットボトルのお茶を買ってきてほしいんだけど。美味しいのをお願い」

「美味しいお茶というと、何でしょう?」

「『お~いお茶』って知ってる?」

はい、知っています

「じゃ、それを買ってきて」

 これがBさんに「認知」されているということです。一方、次のような場合はどうでしょう。

「Bくん、何か美味しいペットボトルのお茶を買ってきてほしいんだけど」

わかりました。『お~いお茶』にしましょうか

「それ、お願い」

 これがBさんに「想起」されたということです。

 では、認知されている場合と、想起してもらえる場合、どちらがより売れるでしょうか。説明するまでもなく、顧客に想起してもらえる商品のほうが、よく売れます。ですから、商品を供給する側は、最終的には「想起」されることを目指すことになります。しかし、ここまで到達するのは、かなりハードルが高いことですから、まずは顧客に知ってもらう。そしてその次に、思い出してもらう――。自社の商品を「想起」してもらうには、そういうステップが必要なのです。

 では、この前提を十分に理解していただいたうえで、「(3)どうやって」について考えていきましょう。

SNSをやる理由、やらない理由は超シンプル

 顧客に、「どうやって」知ってもらうのか、価値を感じてもらうのか、買ってもらうのかという手段には、数え切れないほどの選択肢があります。多くの方は、告知というと広告を想像されると思いますが、最近ではSNSサービスを使うケースも増えていますし、他にも体験会や試供品配布、街頭イベントなど、数限りない方法があります。

 そして、その数限りない方法にも、さらにいろいろな「やり方」があるので、何をすればもっとも効果的なのかを定めるのは、とても難しいことです。広告ひとつを考えてもテレビ、新聞、雑誌、チラシ、ポスターなどさまざまな媒体があります。

 このとき、もし「(1)何を、(2)誰に」が決まらないまま、やみくもに広告を出したら、自分が売りたい顧客が見ていない媒体を使う可能性があります。それでは、そこに費やしたお金も時間も労力もすべてが無駄になってしまいます。先に説明した出版広告の事例を思い出してください。だから、「(3)どうやって」から先に考えてはいけないわけです。

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