「なぜか売れる」の公式

顧客は「機能」ではなく「価値」で商品を選ぶ マーケティング アイズ代表取締役 理央 周

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 たとえば、2つのメーカーから販売されている2種類のスマホがあったとします。機械的、ソフト的な機能ではA社の商品が勝っていたとしても、スペックでは劣るB社の商品がよく売れるという事態は、実際にもあります。

 たとえばB社のスマホに、「それを持っているとクールである」「それを使っている人にクリエイターが多い」などのイメージが付与されている場合、センスがいいと思われたい顧客はB社商品を買い、使うことに価値を見いだすわけです。

天ぷらうどんの価値は、味と栄養と話題性

 ですから、顧客が買ったとき、使ったとき、食べたとき、飲んだとき、触れたときに、その価値が実感できる商品やサービス、そういうものを提供しなければなりません。つまり、仕様書やメニューには載っていない、その商品の持つ目に見えない価値をはっきりと明確にして伝えられなければ売れません。それが「何を」を考える上で、もっとも重要なポイントです。

 ところが、「何を」を考える際に、多くの会社は「ハイスペックにすれば、当然顧客に喜ばれるだろう」という発想をして商品を開発し、失敗します。少し前に、日本の製品が世界の顧客の求める価値を超えて高機能化し、グローバル市場で苦戦を強いられていることが話題になりました。いわゆる「ガラパゴス化現象」です。

 また、先ほどのスマホの例をうどん屋さんに当てはめると、お店イチオシの天ぷらうどんを注文する顧客は、「栄養をつける、美味しいと思う」という主に機能からもたらされる効用を超えて、「雑誌などで話題になった一品を食べてみる」こと自体に価値を見いだします。

 最近、「俺のイタリアン」や「俺のフレンチ」など、リーズナブルな価格で一流の料理人が高級素材を用いて料理を供するお店が話題になりました。これなどは、「美味しいものを提供する」という基本は押さえているものの(この基本は絶対にはずしてはいけません)、ブームになってからは「あの話題のお店で食べた」こと自体が、顧客にとっての価値になっていると見ることもできます。

 ですから、私たちが商品やサービスを提供する際には、それによって顧客にどんな価値を提供できるのか。具体的、かつクリアに認識し、それを知らしめないといけないのです。

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