「なぜか売れる」の公式

顧客は「機能」ではなく「価値」で商品を選ぶ マーケティング アイズ代表取締役 理央 周

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 ですから、店としては、「うちのイチオシは天ぷらうどんです。数々のグルメ雑誌でも絶賛された一番のオススメです」と、自分たちが最も売りたいもの、顧客にぜひ食べてもらいたいものを前面に出しておきます。すると、顧客の目は天ぷらうどんにフォーカスされ、選ばれる確率が高くなります。店に入る前から、「今日は鍋焼きうどんだな」と思っていた顧客も、「イチオシで話題のメニューか。では次は天ぷらうどんを食べに来てみよう」と思って、次の来店につながる可能性も高まります。なぜその店で食べるのか、どうしてその店で買うのか、その理由を顧客自身にわかってもらうことが大事です。

 なぜそのお店に行くのか。商品以外にも駅からの距離や店の雰囲気、店員の応対など、顧客に選ばれる理由はさまざまあるとは思います。けれども、やはり自信をもって勧められる、他店には負けない商品があること、それが重要です。美味しい品、安心して食べられる品は、それ以前の大前提です。

 商品を選んでもらう理由がはっきりしてさえいれば、顧客に意識的、自覚的に選んでもらえる店になるのです。

人間は「機能」ではなく、「価値」にお金を払う

 では、「何を」のそもそもについて、もう少し見てみましょう。

 商品やサービスには、すべて「機能」と「価値」の2つの側面があります。機能とは、性能やスペックと言い換えられるもので、商品そのものが持つ特長や役割をあらわすものです。一方、価値とは、その商品を持つことで得られる満足感や使ったときに感じる高揚感、さらには使用することで得られる効用といった、目には見えないことです。これは楽しいこと、気持ちいいこと、役に立つことなどという側面から考えることができます。

 たとえば、スマートフォンの大きさを機能と価値で考えてみると、「縦12センチ、横6センチ、厚さ8ミリ」のように、仕様書に記載されているものが機能です。それに対して、「手のひらにすっぽり入る」「ポケットに入れても違和感がない」というと、これは価値になります。

 そして、ここからが大切です。顧客が商品を選ぶとき、最初に注目するのは、ほぼ間違いなく機能ではなく価値です。商品やサービスの機能そのものよりも、使ったときの価値に重きを置くのです。というよりも、極端な言い方をすれば顧客にとっては機能なんてどうでもいい。自らが価値を実感できなければお金を払ってくれない、ということになります。しかも、その価値は機能から得られる直接的な効用だけではありません。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。