スーパー経理部長が実践する50の習慣

経験からの勘による"少しおかしい"は相当おかしい 前田康二郎氏

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 経営コンサルタントとして数多くの経理現場を拝見するようになって、あることに気づきました。それは、同じような経理の仕事をしているはずなのに、経営がうまくいっている会社とそうでない会社があるということです。これは一体どういうことだろう。ひょっとすると、経理社員の仕事の仕方にも、会社を良い方向に導く経理と、そうでない経理があるのかもしれない。本連載では、それを解明していきたい。

仕事で嘘をついたら一生負債を背負う

 経営者や営業社員などは、仕事上「はったり」を使うこともあるでしょう。しかし実際の納品の際には、顧客を満足させることができるレベルまで引き上げたサービスや商品を提供する。それが一流の仕事の仕方と言えるかもしれません。

 経理の仕事はどうでしょうか。はったりを使う機会自体、まずないかもしれません。

数字は嘘をつかない

 自分の経験から唯一あるとしたら、IPOの準備のときに、監査法人の人から、「この期日までに四半期決算を提出できなかったら、引き受けは1年延期しますけど、できますか?」と言われたときでしょうか。そのときは何の根拠もなく、「できます」と言ってしまいましたが、それから毎日カレンダーに「あと何日」とチェックをしながら、必死に四半期決算をまとめた記憶があります。

 経理の人間が「はったり」を使うのは、ごく限られた場合だけです。それくらい、経理というのはあいまいなことが許されない仕事なのかもしれません。数字を扱っているのですから、当然なのです。

 よく「数字だけでは本当のところはわからない」「数字がなんだ」という方がいらっしゃいますが、私は口にこそ出さないものの「じゃあ何のために集計をしていると思っているんですか?」とお聞きしたくなります。

 私は数字からその会社を読み取ることを仕事にしているので、その立場から申し上げますと、やはり「数字は嘘をつかない」と思います。「事実を告げる」という言い方が適切かもしれません。実績数値に関して言えば、悪いものは悪い、良いものは良い、それだけですし、それを会社や社員は一旦全て事実として受け入れなければならない、と考えています。なぜなら、数字の結果というのは一喜一憂するためのものではなく、次にどうするか、ということを考えるための参考資料にすぎないと考えるからです。

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