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不動産売買の「買い主不利」はもう終わり!? おたに 小谷祐一朗氏

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物件の値ごろ感を買い主自身で判断

――GEEOを使うと値ごろ感が分かる?

 GEEOでは物件の番地に加え、中古マンションか戸建てかといった種類や間取り、建築年、建物の構造を指定すると、ピンポイントで予測価格を提示します。この予測価格と、不動産情報サイトなどで公開されている同じ物件の売り出し価格を比べれば、購入を検討している物件がお得なのかどうかを買い主自身が判断できるようになります。

 例えば、築10年の物件でGEEOの予測価格が3500万円なのに対し、市場での売り出し価格が4500万円だったとします。この1000万円の差は何か。不動産情報サイトの内容からリフォーム済みの物件だということが分かれば、リフォームによる資産価値の向上を考慮し、予測価格より1000万円多く払うのが妥当かどうかを検討できます。

――リフォームによって値段をつり上げているような物件の購入は見送る、といった判断もあり得るということでしょうか。

 建築年や予測価格、売り出し価格、設備状況などから総合的にみて、そういった判断を下すことも十分に考えられるでしょう。

 GEEOでは、予測価格だけでなく、過去の価格変動の傾向を時系列で表示する機能も提供しています。新築時の価格からどの程度下落したか、下落傾向はまだ続いているのか、あるいは価格が安定しつつあるのか。価格変動の傾向を見て、今が買い時かどうかを判断するのに役立てられます。

町や最寄り駅の"価値"も評価

 誤解がないように申し上げますが、不動産の価格を予測することは決して新しい発想ではありません。大手の不動産会社や金融機関の中には、統計解析手法を活用したGEEOと似た仕組みを持つ企業もあります。

――となると、最大の違いは何でしょうか。

 過去の取引価格に限らず、いくつもの要素を加味して価格を算出する独自開発のアルゴリズムにあります。間取りや駅からの距離、建築年といった情報はもちろんのこと、都道府県名や町名、最寄り駅の名称、周辺人口から推察できる地域の勢いなどを含めて価格を予測しています。

――物件が所在する町のブランド力も予測価格に反映しているということですね。

 ええ。想像しやすいところだと、住所に「東京都」が含まれるか否かで物件の価格が変わってくることがあります。さらに、東京都大田区にある「田園調布」という町名までが同じでも、最寄り駅が田園調布駅か別の駅なのかによっても価格は変わります。GEEOのアルゴリズムでは、1テラバイト以上のデータを対象に、1000項目ほどの一つひとつの要素について時間的・空間的な変化を考慮しながら影響度を自動で判断し、価格を予測しています。

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