創造を支えるビッグデータ活用の針路

データ分析の壁になっている専門性を解消する データビークル 油野達也氏

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 例えば、「顧客IDごとにみた決済額の合計が少ないことが課題」といった形でアウトカムに関連する課題を設定すると、取り込んだすべてのデータを対象にシステムが多変量解析を実行。その結果から、決済額の合計に関する傾向を自然言語で一覧表示します。例えば、「(クレジットカードの)登録日から現在までの期間が1カ月を超えるごとに決済額の合計は3000円高い傾向にある」や「年齢が10歳増えるごとに決済額の合計は5100円ずつ増える傾向にある」...など。同時に、それぞれの結果の信頼性を「とてもクリア」「クリア」「曖昧」の3段階で示します。

 データ分析の担当者は、当たり前情報としてすでに知っている内容が含まれていたら、当該項目をマウスで選択して一覧表示された結果から除外。こうすることでアウトカムとの関連性に気づいていなかった説明変数からなるデータセットを作成し、ビッグデータ分析のために導入したBIツールなどで活用していきます。

 半自動で分析対象のデータを用意できるので、ビッグデータ分析に基づく施策を計画して実行し、その結果を検証して次の一手につなげるというPDCAサイクルの短期化も期待できます。また、PDCAサイクルの短期化によって競合企業より多くデータ分析と施策の実行を繰り返すことができれば、その分だけデータ分析のノウハウやスキルを高められます。

――ここまでの話を聞く範囲では、主にマーケティング用途での需要を見込んでいるようですが、他の用途についてはいかがですか。

 ビッグデータ活用の目的はマーケティングの高度化に限りません。あらゆる設備・機器が情報を発するIoTが普及するにつれて、製造現場における改善やビジネスプロセスの改善など、用途は格段に広がっていきます。自動車が停止した場所や時刻、パソコンやタブレット端末を操作した時間、アクセスしたファイルの種類...。設備や機器から得られるこれらのデータを蓄え、一連のプロセスとしてとらえる意味があるデータセットをDataDiverで作成して分析することでビジネスプロセスの最適化を図る、といった使い方も考えられます。

 当社としては、どういった用途でも、より大きな効果が期待できる説明変数を容易に見つけ出せるようにするため、オープンデータを含む多様な外部データをDataDiverに取り込むデータ変換機能を開発する計画です。ビッグデータ活用のハードルが下がり、色々な業務の現場で統計解析のノウハウが当たり前に使われ始めれば、高い統計解析スキルを持つデータサイエンティストは、独自アルゴリズムを開発しなければならないような高度なビッグデータ活用に注力しやすくなります。そうなったとき、日本企業の成長の勢いはもっと増すのではないかと考えています。

キーワード:AI、IoT、ICT、イノベーション、経営、経営層、技術、働き方改革、プレーヤー

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