創造を支えるビッグデータ活用の針路

データ分析の壁になっている専門性を解消する データビークル 油野達也氏

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――つまり、ビッグデータ活用で成果を上げている企業はデータの選び方から違うということですね。

 そう。前工程が決定的に違います。

 西内のような統計解析に通じた人材はビッグデータを分析する際、最初に客単価アップや来店頻度向上、歩留り改善、リードタイム短縮など経営にとって望ましい状態「アウトカム」を具体的に定めます。そのうえで、すべての種類のデータの中からアウトカムを左右するデータ項目「説明変数」を見極める。さらに、業務を熟知している人にとって当たり前の傾向が見えるだけの説明変数を除外。最終的に"当たり前情報"や"それがどうした情報"ではない、意味ある分析結果が得られる説明変数を集めたデータセットを用意しています。

――前工程の内容は理解できますが、統計解析のプロと同じように説明変数を見極めるのは難しくありませんか。もし見誤ると、結局はあまり意味のない分析をすることになります。

 データセットを用意するのにノウハウが必要なことは確かです。また、高い統計解析スキルを持つデータサイエンティストを育てるのが簡単でないことも事実。聞くところによると、有能な人材が豊富だとされる米グーグルや米アップルでもデータサイエンティストの人数は10人前後だそうです。

 一方でIoT(モノのインターネット)の広がりによって、活用できるデータの種類や量は現在よりも増えていくことが予想されています。企業がビッグデータ活用で期待通りの成果を上げるには、データサイエンティストが持つスキルやノウハウの習得を避けて通れません。

 データサイエンティストの育成は難しい。でも、ノウハウの習得は不可欠。この相反する要件を満たすために、西内の"分身"を開発しているところです。具体的には、20数社でコンサルティングをしてきた西内の経験に基づき、アウトカムの説明変数となり得るかどうか判断を支援するクラウドサービス「DataDiver」を準備中です。月額60万円で提供する予定です。

分析する意味があるデータ群を半自動で作成

――DataDiverについて、機能や特徴を教えてください。

 DataDiverは端的にいうと、企業が蓄積し続けてきたデータを分析データに変換するサービスです。商品や顧客、取引先のマスターデータや、データベースに保存してある販売履歴やWebサイトのアクセスログなど種々のデータを取り込むと、各種データがアウトカムに与える影響の大きさが表示されます。ですから、データ分析にあたる企業の担当者は効果的な説明変数を見極めやすくなります。

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