創造を支えるビッグデータ活用の針路

データ分析の壁になっている専門性を解消する データビークル 油野達也氏

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――ビッグデータから価値を引き出すデータサイエンティストの人数やスキルに差があるなど、成果を上げた企業とつまずいていた企業との間には、どういった違いがあるのでしょう。

 BIツールを導入したのに思うような成果が上げられない企業があるのはなぜか。それは、最初に仮説を立て、仮説に影響を与えるデータを恣意的かつ部分的に選んで分析していることが大きな原因だとみています。

恣意的に選んだデータの分析結果は"当たり前情報"

 例えば、売上高アップを目的にデータを分析する際、影響を及ぼすのは年代別の客単価だと考えて販売履歴データを分析する。その結果から、前年同月比の販売アイテム別やエリア別の傾向などを男女別・年代別に把握できるわけですが、同じことは販売履歴データを管理する販売管理ツールでもできます。極端な言い方をすると、この例で販売管理ツール以上にBIツールができることは、3次元のグラフやバブルチャートを組み合わせて分析結果を地図データ上に見やすく表示するといった程度です。

――いくら高機能なBIツールを用いて分析しても、影響の有無が簡単に想像できるデータを恣意的に選んでいる限り、新たな知見は生まれそうにありません。

 きっと、"当たり前情報"や"それがどうした情報"ばかり浮かび上がってきますよね。ある企業は大量の顧客データを分析して、「A店舗の来店客は周囲XXメートル圏に住んでいるか勤務している人が多い」ことが判明したと言います。そんなことは毎日接客している店舗のスタッフなら、当たり前に分かっているでしょう。

 別の企業は、販売履歴データの分析によって「午前YY時台に乳製品を購入する顧客が多い」ことが分かったと言うけれど、それを知ったところでどんな手を打ったらよいのか。

 データ分析で大切なことは、分かっている情報を除いたうえで、分析による効果が大きいデータをいかにして見つけ出すかです。しかし、ビッグデータの活用に積極的だと見られている企業の中にも、想定できる結果を確認するレベルにとどまっているところが意外とあるんです。

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