創造を支えるビッグデータ活用の針路

景気の先行指標にもなり得る位置情報のビッグデータ分析 コロプラ 長谷部潤氏

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位置データの活用では「世間の一歩後ろを歩く」

――位置データの分析が収益向上策の検討に役立つと分かったなら、当然レポートの対価をもらってもいいのではないでしょうか。

 KDDIから分析業務を受託する形で観光客の動態分析サービスをスタートさせた2013年10月から、レポートを有料化しています。それから約1年後の2014年9月には、企業向けに商圏分析レポートの提供も開始しました。

――最初に手掛けた分析から収益化まで2年半も要したなんて、少しのんびり過ぎませんか。

 こう振り返ると、確かに時間はかかっていますね。しかし、位置情報のビッグデータを活用したビジネスは新しいので、具体的な価値が見えるまで無償で提供してきたことは正しかったと思います。そもそも、ビジネスでは世間の半歩先を進めと言われますが、位置データを用いるサービスに限っては、むしろ世間の一歩後ろを歩くべきだと考えていました。

――随分と消極的ですね。

 位置データをどう取り扱うかを示すガイドラインの整備や、プライバシーに関する法律の解釈が深まっておらず、慎重に慎重を重ねた結果です。当社の位置データからは場所と時間しか分からないとはいえ、社会の共通認識より保守的に位置データの安全性を捉えなければ、どれだけ大きな効果が期待できるとしても不安を与えかねません。

 位置データの価値を確認できた今、対価をいただき事業体制を確立していくことで、企業や自治体への幅広い展開に加え、雇用創出の観点から社会貢献度を高められると理解しています。それでも安全性と価値に対する社会の共通認識より後ろを歩き、時間をかけて動態分析や商圏分析の事業を育てていく方針は現時点で変わりません。位置データを当社ほど多く保有している企業は限られているので、これからも慌てずに息の長い事業にしていきます。

キーワード:AI、IoT、ICT、イノベーション、経営、経営層、技術、働き方改革、プレーヤー

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