創造を支えるビッグデータ活用の針路

景気の先行指標にもなり得る位置情報のビッグデータ分析 コロプラ 長谷部潤氏

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 岩手県も分かりやすい例の1つです。世界遺産の平泉を訪れる観光客は多いのですが、その半数余りが他の地域に宿泊します。そのこと自体はデータ分析をする前から分かっていました。そして、その宿泊先は平泉に近い一関市だろうと考えられていました。ところが位置データを分析してみると、仙台市に宿泊する観光客が最も多く、平泉の来訪者の10%を超えていることが判明。一関市に宿泊するのは平泉訪問者の約9%で、実は2番目だった。こんな事実がデータを見ることで初めて分かりました。

――10%の観光客が宮城県に流れていたわけですね。

 そうなります。このとき併せて、周辺の観光地を訪問する観光客の動態も調べてみました。すると、平泉から車で40分ほどの距離にある猊鼻渓(げいびけい)や厳美渓(げんびけい)を訪れる観光客は、30%近くが一関市に宿泊していました。ですから、平泉の来訪者を猊鼻渓や厳美渓に誘導するプロモーションを展開したら、県内宿泊者を増やせる可能性があるとの考察をレポートでまとめています。

――企業が位置データを活用するメリットについてはどうですか。

 メガネショップ「Zoff」で知られるインターメスティックにおける実証実験で、位置データの利用価値が明らかになっています。当社が持つ位置データから導き出した人の流れと、Zoffの購買データを関連付けて分析しました。その結果、店舗周辺を行き交う人の動きが売り上げに26%寄与することが分かったのです。

――逆に言えば、POS(販売時点情報管理)システムに蓄積した購買データを熱心に分析しても、売り上げを左右する要因の26%は見逃してしまう可能性がある。

 その通りです。Zoffの場合、売り上げに与える影響は、購買商品の構成比や性別・年代別の購入比率が41%、店舗の形態や駅からの距離といった立地が33%。いずれも大きな割合ですが、位置データの分析で明らかにした人の動きの26%も決して無視できないと言えます。

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