創造を支えるビッグデータ活用の針路

景気の先行指標にもなり得る位置情報のビッグデータ分析 コロプラ 長谷部潤氏

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 位置情報を使ったスマートフォン用ゲームを手掛けるコロプラは、BtoCビジネスを通じて得た大量の位置データに新たな価値を見出し、BtoBビジネスに乗り出した。累計24億件におよぶ位置情報のビッグデータを、本業とはまったく異なる新たな収益源に変えるまで約2年半。その道のりを長谷部潤取締役に聞いた。

――コンシューマ向けのスマートフォンゲームを生業(なりわい)にしている貴社が、自治体や企業向けの動態分析や商圏分析事業に乗り出したきっかけを教えてください。ゲーム事業だけでは先行きに課題が見えていたのですか。

長谷部 潤(はせべ じゅん)氏 コロプラ 取締役CSO(最高戦略責任者) 1990年に大和証券に入社。その後、大和総研に転籍し、証券アナリストとしてIT/インターネットセクターを黎明期よりカバーする。各種アナリストランキングでは例年1位もしくは2位。2007年からは放送メディアセクターを兼務。2010年7月にコロプラに転職し、取締役最高戦略責任者(CSO)に就任。また経営企画部長として、KPI分析やアライアンス、M&A、広告出稿、広報IR、法務、おでかけ研究所などを管掌。2013年3月からSocial Game Info代表取締役を兼務。

長谷部 潤(はせべ じゅん)氏

コロプラ 取締役CSO(最高戦略責任者)

 1990年に大和証券に入社。その後、大和総研に転籍し、証券アナリストとしてIT/インターネットセクターを黎明期よりカバーする。各種アナリストランキングでは例年1位もしくは2位。2007年からは放送メディアセクターを兼務。2010年7月にコロプラに転職し、取締役最高戦略責任者(CSO)に就任。また経営企画部長として、KPI分析やアライアンス、M&A、広告出稿、広報IR、法務、おでかけ研究所などを管掌。2013年3月からSocial Game Info代表取締役を兼務。

 ゲーム事業の先行きというよりも、インターネットの特性を考えたときに、企業がやれることがもっと残っているのではないかと感じていたからです。インターネットはテレビと並ぶか超えるほど消費者にリーチする力を持ち始めています。ところが、意外とその評価は高くない。と言うのも、媒体としての影響力の大きさや収益力の強さは、テレビやラジオ、新聞、雑誌、インターネットのいずれも利用者の質やアクセスのボリュームで評価されるからです。本当にこれでいいのでしょうか。

 インターネットには他の媒体と決定的に違う強みがあります。利用履歴やアクセス履歴といった消費者の行動を示すログデータを残せる点です。ただ、大量に蓄積したログデータを新たな事業に役立てるような取り組みが、あまり盛んではなかったのも事実です。

 もちろん、ログデータを有効利用し、推奨商品の情報を利用者に示すレコメンド機能やインターネット検索機能の精度向上を図る例は多く見られるようになってきました。しかし、それはあくまでも既存のインターネットサービスの中に閉じた環境での活用であり、現実社会のビジネスや新規事業に十分に生かされているとは言えません。

 一方で、ゲームに対する社会的な評価にも少なからず疑問を持っていました。当社はエンターテインメント産業の社会的意義は小さくないと信じているものの、ことゲームに関しては「所詮はゲームだろう」「何かを生み出しているわけではない」と見る向きがあるのが実情です。

――大量のログデータを使えば、エンターテインメント産業への見方を変えられると?

 地域や企業の活動を支援する用途にログデータを役立てることができれば、本業であるゲームも従来とは異なった見方をしてもらえるかもしれないと思いました。特に、スマートフォンから現在置情報を登録して遊ぶ当社のゲームは、利用者が実際に存在した場所の位置データを大量に蓄積しています。ですから、これを活かせば、現実社会のビジネスや地域の活性化に貢献しやすいはずだと考えました。

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