創造を支えるビッグデータ活用の針路

「目配り」「気配り」「金配り」を高度化するビッグデータ

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 嗜好の多様化に応じるために、顧客との距離を縮めながら接点を強化し、一人ひとりの状況を的確に察する。それができれば、企業は売り上げに結びつく効果的なマーケティング施策を展開しやすくなる。

 マーケティング領域におけるビッグデータの活用として肝心なのは、人との関係を築くプロフェッショナルになること。野村総合研究所の鈴木良介主任コンサルタントは、そう話す。マーケティングの高度化に向けたビッグデータ活用の指針と、注目したい国内外企業の取り組みを聞いた。

――マーケティングの高度化に欠かせない「マーケティングテクノロジー」の一つとしてビッグデータを用いる企業が目立ってきました。期待通りの成果を上げるために、企業は何に留意したらよいでしょう。

鈴木 良介 氏 野村総合研究所 コンサルティング事業本部 ICT・メディア産業コンサルティング部 主任コンサルタント 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科修士課程を修了し、2004年に野村総合研究所へ入社。一貫して情報・通信を活用した事業の高度化に関する調査・コンサルテーションに従事している。ビッグデータ関連のセミナーで講師を務めるほか、日経文庫「ビッグデータ・ビジネス」(日本経済新聞社発行)などの著書がある。

鈴木 良介 氏 野村総合研究所 コンサルティング事業本部 ICT・メディア産業コンサルティング部 主任コンサルタント

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科修士課程を修了し、2004年に野村総合研究所へ入社。一貫して情報・通信を活用した事業の高度化に関する調査・コンサルテーションに従事している。ビッグデータ関連のセミナーで講師を務めるほか、日経文庫「ビッグデータ・ビジネス」(日本経済新聞社発行)などの著書がある。

 どんなデータを使うか、どういった情報システムを活用するかといった観点が先に立ってはうまくいかないでしょう。当たり前ですが、顧客にどういった付加価値を提供してハッピーになってもらうかを考えることが、マーケティング分野でビッグデータ活用の成果を上げるためのスタート地点です。考え方のヒントとして、お客様が王様だったらどうするかという発想を持つことが大切だと考えています。大臣やスターなどのVIPが来店すると、お店側はものすごく歓迎しますよね。同じようなことをすべての来店客にできれば、歓迎された顧客はハッピーですし、結果的に売上高も伸びるはずです。

 VIPとの接し方については、大手広告代理店に伝わる逸話に学べる点があります。海外の大物アーティストが奥様を伴って来日した際、代理店の担当者は奥様に同行するよう部下に命じ、奥様が買うか買うまいか迷った末に買わなかった商品をすべてメモしてくるように指示したそうです。そして買わなかった商品を後で購入し、アーティストが帰国するときに奥様にプレゼントした。奥様はとても感激し、その姿を見たアーティストからも心から感謝されたとのことです。

 この逸話から学びたいのは、何かをプレゼントするといったアクションではありません。接客・接遇のプロフェッショナルは、人との関係を築くプロフェッショナルであるという点です。

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