創造を支えるビッグデータ活用の針路

扱うデータを増やすだけでビジネスの"精度"が上がる アカデミックの研究成果とマーケットの現実から見えたビッグデータの衝撃

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 「分析の理論が変わらなくても、用いるデータの量が増えただけで、分析の精度がとてつもなく上がる。公開されているデータの活用は現時点でほとんど手付かずなだけに、その活用は大きなビジネス・イノベーションの可能性を秘めている」と、楽天の森正弥執行役員は言う。同社は約200人のメンバーからなるビッグデータ部と、言語処理や画像解析の専門家を擁する技術研究所が両輪となってビッグデータのビジネス活用をドライブしている。楽天技術研究所の所長を務める森氏に、これまでの取り組みから見えてきたビッグデータ活用のインパクトと、同社の今後の展開を聞いた。

――楽天は2012年にビッグデータ部を新設し、楽天技術研究所と連携しながらビッグデータ活用に取り組んでいます。簡単に背景を教えてください。

森 正弥 氏 楽天 執行役員 楽天技術研究所所長 コンサルティング会社を経て、2006年に楽天入社。現在は同社執行役員兼楽天技術研究所長に加え、情報技術部副部長およびビッグデータ部副部長として、マネジメントおよびデータサイエンティスト戦略に従事している。電子情報通信学会のデータ工学専門委員会専門委員や、企業情報化協会のビッグデータ戦略的ビジネス活用コンソーシアム副委員長のほか、しまねOSS協議会顧問やRubyアソシエーション評議員などの要職にも就く。

森 正弥 氏 楽天 執行役員

楽天技術研究所所長

コンサルティング会社を経て、2006年に楽天入社。現在は同社執行役員兼楽天技術研究所長に加え、情報技術部副部長およびビッグデータ部副部長として、マネジメントおよびデータサイエンティスト戦略に従事している。電子情報通信学会のデータ工学専門委員会専門委員や、企業情報化協会のビッグデータ戦略的ビジネス活用コンソーシアム副委員長のほか、しまねOSS協議会顧問やRubyアソシエーション評議員などの要職にも就く。

 楽天の創業コンセプトは「エンパワー」です。インターネットのショッピングモールを通じて、都市圏にない地方の小売業をもグッと盛り上げる。そのためには商品の型番や品番、データの項目や形式などが定まっていない「非構造」のデータを何としても活用できるようにしなければならない、というのが至上命題としてありました。

 インターネットで販売される商品には一品ものや期間限定商品も多く、型番や品番を備えていないものが少なくありません。楽天市場にお店を出されている4万8000店舗余り、1億点以上の商材のほとんどが、そうだと言っても良いでしょう。そのうえ商品に関する情報は、お店ごとの思いやエピソードなど構造化されていないケースが多い。共通の型番や品番があれば商品検索やレコメンドは簡単なのですが、それがないものだから商品検索やレコメンドの精度向上が一筋縄ではいかないわけです。

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