経済学的にありえない。

五輪やW杯、どれだけ開催国の経済に効くか 佐々木一寿氏

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 たとえば、ロンドン五輪が英国経済(先進国経済)に与えるインパクトの織り込みは、その確実性ゆえに、より早めになるでしょうし、もっといえば、分母が大きいだけに限定的に(つまり割合でいえば小さく)なるでしょう。

 実際のブラジル経済はその中間といったところで、事実、2000年以降のブラジル経済は、(その波は激しいながらも、均せば4%ほどと)着実に成長してきました。もちろん紆余曲折はあり、09年にはリーマン・ショックの影響も大きく受けマイナス0.33%となったものの、そのギャップは10年の+7.53%とみごと倍返しを果たしてもいます。しかしながら、11年以降の経済成長率は、プラス1~3%の間で推移しています。これに対しての見方は、大きく2つに分かれると考えます。

 ひとつは、(1)W杯、そして五輪の効果は思ったほどには発揮されていない、という見方です。たとえば、インフラストラクチャー(社会資本)の完成が遅れている、といったことが象徴的なところだと思います。言い換えれば、ブラジルは新興国的ではあるが、効果が出し切れていない、ということになります。

 もうひとつは、(2)すでに大部分を織り込んでしまっていて、伸びしろは限定的、という見方です。これは、新興国的というよりはより成熟国的な特徴が出ている、と言い換えてもいいかもしれません。もしそうであれば、プラスのサプライズがない以上、このままの水準で推移するか、もしそのプレミアムが剥落したと判断されれば、いまの水準よりも下がることも十分にありえるでしょう。

 もし、いまの水準以上の経済成長を目指せる条件を考えれば、(1)であれば、リオ五輪に向けて、その懸念の解消によって伸び余地は出てくるでしょうし、もし(2)であれば、リオ五輪以降の経済成長プランが、より重要な要素になるでしょう。

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