社員の不祥事・トラブルの予防と対策

「仕事中でもスマホ依存」の社員、どう対応すべき? 本間邦弘氏

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「私はスマホ命です!」 仕事中にロッカーに隠れるスマホ依存の社員

 A社は電子部品の製造会社です。4カ月前、20代前半の女性社員Bさんが生産管理課に採用されました。Bさんは採用後から、時々持ち場を離れて所在がわからなくなることがありました。部署の先輩である女性社員のCさんは、そのたびに「席を離れる場合には、報告してね」と注意していました。しかしある日、またBさんが無断で席を離れ、戻らないため社内を捜すと、非常階段でスマートフォンを操作していたため注意すると、Bさんは「すみません、これからは気をつけます」と言って反省していました。

 その後は、Bさんは勝手に席を離れることはなくなりましたが、トイレに行く回数が多くなり、離席時間も長くなりました。先輩のCさんはBさんに「体調が悪いようなら遠慮なく話して」と言うと、なぜかそれも収まりました。しかし、またもやBさんが20分以上所在不明になったためCさんがロッカー室を捜すと、なんとBさんの個人ロッカーの中から声が聞こえます。ロッカーを開けると、Bさんは狭いロッカーの中でスマホで電話をしているではありませんか。Cさんは課長と共にBさんに事情を聞いたところ「私はスマホ命で、1時間見ないととても不安なんです」と泣きながら言います。Bさんは数日後に、自ら退職願を提出しました。

A社の対応など

 今回の問題は、Bさんの個人的な要因が大きく、会社に要因があったということは難しいかも知れません。しかし、会社として勤務時間中の携帯電話の個人使用を禁止する旨を規定することについて検討が必要になってきたのかもしれません。

A社の対応<事実確認>

 A社は、先輩社員のCさんと課長に話を聞くと、Bさんは試用期間が終了し本採用されると、急に無断で離席することが多くなり、特に最近はスマホ依存ともいえる行動が顕著になったとのことでした。

A社の対応<処分と結果について>

 今回のBさんの行動は、A社の就業規則の服務規律の「先輩や上司の指示を守り誠実に勤務すること」や労働契約上の職務専念義務に反する勤務懈怠の行為と言えます。しかし解雇事由である「仕事の能力もしくは勤務成績が著しく劣り、又は職務に怠慢な場合」とまでとはいえないと判断し、始末書の提出などの処分を検討しました。しかし、処分の前にBさんが自ら退職を申し出て、自己都合で退職しました。

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