社員の不祥事・トラブルの予防と対策

病気で遅刻や欠勤を繰り返す社員への対応は? 本間邦弘氏

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病気で通勤できないと遅刻や欠勤を繰り返す社員、会社の対応は?

 A社は保険代理業を営む会社です。A社に勤務して3年目になるBさんは、ある日から朝起き上がろうとすると体に力が入らなくなったり、激しい腹痛に襲われるようになりました。そのため、Bさんは体調不良を理由に遅刻したり、無断で欠勤することが多くなりました。A社は、Bさんが普段からミスが多いばかりか、遅刻や無断欠勤を繰り返すため、当該部署では戦力外とされており、欠勤してくれれば仕事が進むと欠勤を黙認していました。しかし無断欠勤などが一向に改善されないため、上司である課長は会社に対し、Bさんを解雇することを要請しました。

 A社はようやく重い腰を上げ、担当役員の常務がBさんを呼び話を聞くと、Bさんは「私は病気なのに、他の社員がわかってくれない」と話したため、Bさんに医師の診断を受けるように命じました。BさんからA社に提出された診断書には、「自律神経失調症により、投薬による治療を行う」と記載されていました。A社は無断欠勤を繰り返すことを理由にBさんを解雇することを検討しましたが、Bさんに解雇を通知する前に「勤務を継続するか休職して療養に専念するか」について、本人に判断を任せました。するとBさんは休職することを選択し、そのまま6カ月間の休職期間を満了し、それでも復職することができず、最終的には退職することになりました。

発生の要因

 今回の要因は、早期に医師の診断を受けさせ状況を知ることを怠ったことに要因があったと考えます。社員が病気になることを防ぐことは難しい問題ですが、病気であると申告があった場合や病気の可能性が認められた場合には、休息や休暇を取らせたり、医師の診断を受けさせ状況を把握し、適切に対応することが重要になります(安全配慮義務および労働環境配慮義務、労働契約法第5条)。

A社の対応<事実確認>

(1)Bさんへの事実確認

 A社の常務が、Bさんの面談を行ったところ「以前から体調が悪く、心療内科で自律神経失調症と診断され、薬を服用している」と話しました。しかし、通院で治療できると言われ、勤務には支障がないと医師に言われていると主張します。

(2)上司や同僚への事実確認

 上司や同僚から話を聞くと「Bさんは勤怠不良で仕事のミスも多く、足手まといと思われていたので、欠勤しても困らないことから気にしていなかった」と話し、配慮が足りなかったことを反省していました。

A社の対応<A社の対策>

 まず就業規則の変更を行い、健康診断の受診義務や就業禁止などを新たに記載し、さらに管理職に安全配慮義務などについての研修を行うことにより、日常的に部下の健康状態などに気を配り、迅速に対応する必要性を訴えました。

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