競争しない競争戦略

上位企業の「持てる優位」を逆手に取れ 山田英夫氏

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 リーダー企業の戦略定石として、(1)周辺需要拡大、(2)同質化政策、(3)非価格対応、(4)最適シェア維持の4つがある。経営資源が少ない下位企業からの攻撃に対して、リーダー企業が一番対抗しやすいのが、同質化政策である。

同質化と不協和

 逆に言えば、下位企業にとっては、保有する経営資源が劣るため、リーダー企業に同質化されない戦略をとる必要がある。

 それでは、どのような場合にリーダー企業は同質化しにくいのであろうか。リーダー企業の同質化に関しては、図表1のように、canとwillの視点から4つの状況がありうる。このうち、同質化したいのにできない場合(will & can't)と、同質化できるのにしたくない場合(can & won't)に、リーダー企業の組織には不協和(ジレンマ)が生じる。

<FONTBOLD />図表1 同質化に関する4つの状況</FONTBOLD></p><p>出所:山田英夫(2014)『逆転の競争戦略 第4版』生産性出版</p><p>

図表1 同質化に関する4つの状況

出所:山田英夫(2014)『逆転の競争戦略 第4版』生産性出版

 不協和とは、「2つの要素が何らかの理由によって相互に適合(fit)しない」状況を指す。この不協和の発生が、リーダー企業と競争しないために重要なポイントとなる。

なぜリーダー企業は同質化できないか

 それでは、なぜリーダー企業に不協和が生じるのであろうか。それは、経営資源を「持っている優位性」が、逆に戦略遂行の足かせになるからである。

 過去の研究からは、

・「累積資産の大きなリーダー型企業の場合、失うものが大きいゆえに保守志向になる」

・「競争のルールが変われば、長年築き上げた資産は、天恵というより、むしろ災いになりうる」

・「最大の資産は、しばしば最大の負債になりうる」

などと言われている。

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