藤元健太郎の「CMO戦略企画室」

静かに広まる「人工知能」、新段階の自動化と商機に期待 D4DR 藤元健太郎氏

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ニューラルネットが「ファッションセンス」を学習

 コンピューターは、さまざまな領域で人間の能力を上回る進化を遂げてきたが、学習能力を持つ人工知能が実用化されてきたのは最近のことである。コンピューターに学習させる方法論としては、人間の脳の構造を模した「ニューラルネットワーク」という人工神経回路により学習させる方法が古くから研究されてきたが、なかなか実用レベルに到達できなかったからだ。

 しかし、コンピューターの処理速度が劇的に向上したことや並列分散処理技術の進化により、ニューラルネットワークを何層にも重ねる「ディープラーニング(深層学習)」という情報処理が可能になった。この手法により学習の精度が高まり、あらかじめプログラムしておかなくても、「この写真に写っているのは犬だ」などと何度も学習させれば人間と同じような判断を行えるようになる。

 こうした人工知能の活用は、必ずしもWatsonのようなスーパーコンピューターを必要とするものではない。たとえば、人のファッションの好みを学習する「SENSY(センシー)」というスマホアプリがそれだ。SENSYを提供しているカラフル・ボードという日本のベンチャーは、ファッションの画像処理に特化したニューラルネットワークの活用技術を慶応大学や千葉大学と共同で研究開発し、米国でも特許出願してビジネスを展開している。

 SENSYでは、アプリに表示された服が自分の好みにあうかをユーザーがどんどん判定していくと、コンピューターがその人の服の好みを画像データから解析し、学習する。そして、色使いや柄、デザインなど100種類におよぶタグ情報をもとにユーザーのセンスを自動学習すると、そのセンス(好み)にしたがってSENSYがユーザーにファッションを提案してくれる。ユーザーが気に入れば、その場で服を注文できる。

SENSYの画面例

SENSYの画面例 左は、表示された服がユーザーの好みに合うかどうかを学習させる画面。好みの服なら右方向(ピンクのハートマークの方)へフリック、好みでないなら左方向(青いハートブレイクマークの方)へフリックして学習させる。右の画面は、モデルやスタイリストが登録したセンスの一覧。お気に入りのモデルやスタイリストのセンスにしたがってファッションを提案してくれる。

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