藤元健太郎の「CMO戦略企画室」

「消費者の行動を変える」、スマホ時代の精緻なマーケティング D4DR 藤元健太郎氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 真夏の海岸で毛皮のコートは売れない――。当たり前のことだが、消費者に商品を勧める「場所」や「タイミング」は極めて重要である。
 では、もし「売りたい商品の棚の前に消費者を呼び込み、タイミングよく消費者の買いたい気持ちを高めることができる」とするなら、どうなるか。消費者はその商品を手に取り、レジに向かう可能性が高くなるはずだ。

 消費者の購買行動を深く理解し、販促に応用しようとする探究はとどまることを知らない。2014年10月1日に始まった楽天の「Rポイントカード」はそうした探求に基づく1つの具体策であり、大いなる挑戦であろう。筆者は、販売促進にかかわる過去の議論をひっくり返すほどの可能性を秘めていると考えている。

適時・適所の情報発信で消費者の「行動を変える」

 楽天の「Rポイントカード」は、これまで主にネットでの購買に対してポイントを付与していたが、いよいよリアルの店舗(楽天と提携した店舗)の買い物にもポイントを付与する。それだけ聞くと「またTポイント(※)のような共通ポイントサービスが1つ増えるのか」という印象を持たれるかもしれないが、本当のインパクトは別のところにある。

(※)カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営するポイントサービス。TSUTAYAをはじめ、提携企業の店舗や各種サービスにおいて利用できる。

スマートフォンアプリ「楽天チェック」の画面 チェックインして楽天スーパーポイントを獲得できる提携店舗の検索画面(左)と、チェックインと同時に表示されるクーポンの例(右)

スマートフォンアプリ「楽天チェック」の画面 チェックインして楽天スーパーポイントを獲得できる提携店舗の検索画面(左)と、チェックインと同時に表示されるクーポンの例(右)

 楽天の「Rポイントカード」の狙いで面白いのは、スマートフォンアプリと楽天の膨大な購買履歴データを使って消費者のリアルな行動に影響を与え、商品を勧める「場所」や「タイミング」を消費者一人ひとりに合わせて最適化することが可能になる点だ。

 たとえば、この施策と連動するスマホアプリの「楽天チェック」は、すでに消費者がリアルの提携店舗を訪れ、チェックインするだけで楽天スーパーポイントが貯まる仕組みを提供しているが、新しい機能として消費者を店舗に呼び込むと同時に、消費者の属性に合わせたクーポンや広告を表示するサービスをスタートさせた。

 これのどこがスゴイのか。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。