激震 原油安経済

原油暴落は「炭鉱のカナリア」、未知の危機を暗示 みずほ総合研究所

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世界は需要不足の罠から脱出できるか

 以前の『中国・世界経済の減速が招いた原油暴落』で述べたような需要不足の罠から世界はどう脱出するのか。そもそもこれだけの危機からの脱出はできるのか。今日の状況は、世界各国の水没競争だ。それは、自らの経済の浮揚を自らの自国通貨の下落によって、他国の需要、外需に依存するゲームである。そのためには、支柱となる国の存在が必要である。今日、その役割を「浮き輪」である米国が単独で果たす状況にある。

 足元は新興国まで緩和に向かう中で、米国の浮き輪だけに依存する危うさを持つ。ここで米国も沈んだら、世界同時沈没になってしまう。ただし、世界が水没するほどの経済環境の帰結が原油価格下落だけに、その恩恵を享受しやすい米国へ依存せざるを得ない。日本も原油安の恩恵を受けつつも、今回は自らの金利水没をばねに今しばらくは米国の浮き輪につかまり経済回復を期待するしかないだろう。

 日本としては、2007年以降の世界的な金融危機の中、欧米が積極的な金融緩和で自国通貨安競争に走り、自らは「お行儀よく」極端な金融緩和に走らなかったばかりに円高で割を食ってしまった。それだけに、今回、通貨戦争第2ステージでは、フロントランナーとして金融緩和の姿勢にある。

金融市場はLED戦略に

 今日のように金利が「水没」した状況における金融機関の戦略は、「LED戦略」とする、「(1)長く(Long)、(2)外に(External)、(3)濃い(Deep)異なるリスク」の3分野しか選択肢はない。

 すなわち、第一に、まだ生体反応が残る長期、超長期の分野にデュレーションを延長するしかない。

 第二に、日本の債券市場が「水没」するなら、まだ市場機能が残る海外の市場を狙うしかない。すなわち、自らの外への資金の流れが日本からみた円安圧力を加えることになる。

 第三の方向性は、「濃い異なるリスク」として、金利以外のリスクを確保するとして株式や不動産への投資が進むことを示している。

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