激震 原油安経済

通貨戦争と「金利水没」のニューアブノーマル みずほ総合研究所

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 ただし、世界が水没の中、世界の運用者が生き残りをかけ、「運用難民」として「浮き輪」に殺到する結果が、過去1年間の予想外の大幅な米国長期金利低下につながった。同時に、流れ込む資金の圧力が米ドルの上昇圧力になっている。

 米国は今後、金融緩和の出口戦略、FFレートの引き上げの方向にあり、政策金利であるFFレートの引き上げは、上の表では米国の短期ゾーンの引き上げ、先のたとえでは、「浮き輪」を高くすることにある。

 世界の多くの国々が金融緩和を行っており、「水没」マップで示された水没地域は拡大しやすい。その結果、世界の水没によって運用難に陥った「運用難民」が「浮き輪」である米国に押し寄せれば、たとえ、米国が利上げで「浮き輪」を持ち上げても、長期ゾーンに金利低下圧力がかかる。

 また、金利格差による「運用難民」が押し寄せることで生じるドル高圧力の中、「浮き輪」が耐えられるか、すなわち米国経済がドル高に持ちこたえられるかが問われることになる。もし、米国の利上げによるドル高に米国経済が耐えられないと自ら判断すれば、2015年後半にかけて予想される利上げのタイミングの変更も生じうる。また、その後の利上げスピードも極めて緩やかなものとならざるを得ないだろう。

みずほ総合研究所 編著 『激震 原油安経済』(日本経済新聞出版社、2015年)「金利水没のニューアブノーマル」から

キーワード:経営、企画、経営層、管理職、技術、グローバル化、国際情勢、ものづくり

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