起業で本当に成功するために大切なこと

ベンチャー体質こそ究極の競争力 メガチップス会長 進藤 晶弘氏

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 次に、戦略を具体化するために日米のLSI産業構造の違いを考えました。日米の半導体メーカーを分析した結果、米国のLSI産業は応用、アルゴリズム(論理構造)、アーキテクチャー(設計思想)などのソフトウエア寄りに強さがあると判断しました(図表2)。

図表2 日米の産業構造の違い

図表2 日米の産業構造の違い

 人材の創造性や理論、すなわち創造的な技術を競争力にしており、人材を中心とした経営を行っているので、ベンチャーが活躍する土壌になっていることに気がついたのです。一方、日本のLSI産業は、ハードウエア寄りに強さがあります。膨大な資金の投入が必要な生産技術と工場から生まれる生産力を競争力としていて、大企業が主導権を握る産業構造になっていることがわかりました。

 このように日米のLSI産業構造の違いを分析することで、アルゴリズムとアーキテクチャーの分野が、機器とLSIの両分野にまたがる戦略上の重要なポジションになっていると気づきました。

 そこで私が考えた戦略は、回路設計や生産技術、すなわち生産力に競争力を求めるのでなく、アルゴリズムとアーキテクチャー分野に競争力を求め、システムとLSIの両方を理解する人材を育てて既存大手半導体メーカーと競争し、彼らとは異なるポジションを築くというものです。

 この戦略の下、メガチップスの活躍の場(事業ドメイン)をアルゴリズムとアーキテクチャーおよびLSIの設計・開発分野に絞り込み、応用と生産分野は戦略的提携を行ってその能力を補完する考えでした。このようなファブレス形態を取ることによって、経営資源を創造的な技術分野に集中させ、既存半導体メーカーと比較して資金効率と生産効率を劇的に良くしようと考えたのです。言ってみれば、戦略要素と改革要素をミックスした戦い方によってLSI産業に参入するコンセプトです(図表3)。

図表3 メガチップスのファブレス構想

図表3 メガチップスのファブレス構想

 

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