起業で本当に成功するために大切なこと

ベンチャー体質こそ究極の競争力 メガチップス会長 進藤 晶弘氏

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 一方、ベンチャー体質では

(1)誰も助けてはくれない。自分以外に助けてくれる者はいないと自主的・主体的に行動する。
(2)会社への依存心は最悪と考え、全員が当事者意識を持ち自己責任で努力する。
(3)会社の問題は自分の問題。解決のためには自己犠牲もいとわない。
(4)全体利益のためには自分の痛みや困難を受け入れ、力を合わせて乗り越える。

など、強い信頼関係で培った運命共同体のチームができています。さらに、起業家や幹部が前線に立って現場の指揮を執るので、最前線の状況をリアルタイムに把握でき、迅速に対応するので高い士気を保てるのです。面子やプライド意識もなく、朝令暮改も厭わず、速い決断の下でスピーディな行動を取り、また、合理的考えが浸透していて無駄なことはしません。

 このように意識面で見ても、人材の量を誇る大企業に対し、少数であっても意志や意欲を持つ質の良い人材を集中的に特定分野(ニッチ市場、独自性ある競争力の発揮)に投入すれば、大企業とも十分戦える余地が生まれてきます。

 この章では、こうした「ベンチャーならではの戦い方」について見ていくことにしましょう。

戦略的要素と改革的要素で戦う

 「ベンチャーは大企業に対して弱者か?」と問われれば、私は「YES、同じ分野で、同じ戦略・戦術を持って戦えば弱者である」と答えます。

 例えば、資金面を見ると、大企業には潤沢にあり、ベンチャーはわずかなものです。人材面では、大企業は多くの人員を抱えていますが、ベンチャーは限られています。経営の安定性では、複数の事業の柱を持つ大企業と比較して、ベンチャーは数が少なく、安定性に欠けています。事業推進基盤や組織充実度の面においても、完成されている大企業に比べ、ベンチャーは限定されていて未熟です。

 社会的信用度やコーポレートアイデンティティ(Corporate Identity : CI)では、すでに確立している大企業と比較して、ベンチャーはほとんど持っていません。むしろ社会から「うさんくさい存在」と誤解されがちです。資産・技術・仕組みの完成度でも、過去の蓄積がある大企業と比較し、ベンチャーは脆弱です。したがって、大企業と同じ分野において同じ戦略・戦術で戦えば、ベンチャーが勝利することは困難と言わざるを得ません。

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