起業で本当に成功するために大切なこと

「敵は内にあり」抵抗勢力とどう闘うか メガチップス会長 進藤 晶弘氏

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 50歳を目前に、私は大企業をやめて起業することを決心しました。安定を捨ててでも、どうしても自分の手でやってみたい、実現したい事業があったからです。起業家に必要な資質や、大企業に勝つための戦略、次のリーダーを育てるために必要なことなど、実体験から生まれた具体的な知恵を述べていきます。私自身が全身全霊を傾けて生みだした「起業の教科書」です。

問題を起こすのも、解決するのも人

 ベンチャーに限らず、会社は常に問題を抱えています。1つの案件を解決すれば、また別の課題が浮かび上がるものです。次々と出てくる課題の解決に向けて前向きに取り組み続けなければ会社の成長はありません。

 そもそも問題が見える組織だからこそ健全なのです。それは、誰かが声を上げている証拠であり、関係者が解決に向かって取り組んでいれば、より望ましいことです。一方、穏やかで順調に見える組織には落とし穴があります。問題に気がつく人や解決を促す人がいないのかもしれないからです。あえて目をつぶって先送りを決め込んでいる可能性もあります。

 どのような問題も「本質」は単純明快です。「問題を起こすのも人、解決するのも人」なのです。解決する道は、その人に反省を求めて改善させるか、外れてもらって別の人に託すしかありません。この二者択一の選択は、人にメスを入れる痛みをともなうので大変つらい決断が求められます。

 問題解決にあたっては、創業間もないベンチャーであれば、創業者自身が指揮を執ることが多く、ベンチャーから脱皮して中堅企業に成長していれば、管理職に委ねるケースが一般的です。

 私の場合も、メガチップスが未上場の時代には自ら問題解決の旗を振り、社員を鼓舞し、直接指揮を執って解決してきました。しかし上場後、人材が充実して管理職が組織運営を担うようになると、そうもいかなくなって、問題の発見から解決までを管理職に委ねることにしましたが、途端に雲行きが怪しくなったことをたびたび体験しました。

 まず驚いたのは、問題点を浮かび上がらせ、自らのリーダーシップで解決すると宣言する管理職の少なさです。美辞麗句で飾った事業計画や整理した報告書を駆使して、「我が組織は順調である」と印象付ける傾向が強くなってしまいました。実態は、厳然と社員の行動に表れるものですが、善意からとはいえ、このような報告書や計画書には虚像の部分が多くあります。

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