起業で本当に成功するために大切なこと

リーダーとマネジャーはここが違う メガチップス会長 進藤 晶弘氏

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 50歳を目前に、私は大企業をやめて起業することを決心しました。安定を捨ててでも、どうしても自分の手でやってみたい、実現したい事業があったからです。起業家に必要な資質や、大企業に勝つための戦略、次のリーダーを育てるために必要なことなど、実体験から生まれた具体的な知恵を述べていきます。私自身が全身全霊を傾けて生みだした「起業の教科書」です。

リーダーは「平常時は地味」

 危機が連続するベンチャーでは、とりわけリーダー人材が重要になります。しかし、リーダーであれマネジャーであれ、共に「目標を設定し、メンバーに与える」「目標を達成するべき組織を編成する」「結果を把握し、改善手段を取る」など、実務においては同じステップを踏みますので、同一の資質の者だと誤解されがちです。マネジメント人材=リーダー人材と錯覚してはなりません。

 マネジメント人材とリーダー人材を比較すると、以下の8項目に示すように、多くの面で異なる資質を備えています。その違いを正しく理解して、適材適所に配置して活躍させることが大切なのです。

(1)性格

 マネジャー資質の人は、クールで冷静かつ論理的です。既存のシステムを大切に使い、客観的情報をもとに論理的に対処することを好みます。ルールや仕組みを守って維持することや改善するのが得意です。どちらかと言うと、スキルや専門知識で人を引っ張り、周囲からスマートと見られる傾向があります。

 一方、リーダー資質の人は、感性、直感、感情が勝り、人間的魅力で人を引っ張ります。古くなったルールや仕組みがあれば変えたがり、人間的愛情が豊かで人への関心が深く、平常時はどちらかというと地味な存在です。

(2)スキル

 マネジャー資質の人は、客観性を重視し計数管理が上手です。問題や課題の抽出に長け、現実的に解決しようとします。また、誰がやってもうまくできる仕組みを作って、他の人でも効率良く仕事ができるよう改善します。したがって、周りからは優秀な実務家との評価を受けますが、固執する価値観はなく、余人が替わることができます。

 一方、リーダー資質の人は、創造性や構想力に優れています。強烈な価値観を持ち、はっきり主張するため、一歩間違えると独裁的、押し付けがましいなどと誤解されます。大きな構想を描いて追い求める姿勢が強く、周りから無茶なことを言う非現実的な夢想家、理想主義者と見られます。理解者がいなければ、組織に葛藤をもたらすやっかいな人間と見られてしまい、浮き上がった存在になりかねません。しかし、この人について行きたいと思わせる何かを持っているので、余人をもって替えがたい人材です。

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