マトリクスに位置する4つのゲーム・チェンジャー─プロセス改革型、市場創造型、秩序破壊型、ビジネス創造型の具体例を見ていきます。
ゲーム・チェンジャーの4類型
秩序破壊型(Breaker)
秩序破壊型は、既存企業にとって最も手強い競争相手です。これまでとほぼ同じ製品やサービスが、異なる儲けの仕組みで提供されるからです。その儲けの仕組みが消費者にとって歓迎すべきものだったとき、既存企業は窮地に立たされます。
スマホゲーム これまで外出先でゲームを楽しむには「ニンテンドーDS」や「プレイステーション・ポータブル(PSP)」といったゲーム専用機を購入するしかありませんでした。しかし最近では、スマホでも簡単にゲームを楽しめるようになりました。
しかも、ゲーム専用機用のソフトが1本数千円するのに対し、スマホで楽しめるゲームの多くは無料か、あるいは100~300円程度です。消費者にとっては、ゲーム専用機を持ち歩かなくても、無料あるいは低価格でゲームを楽しめるようになりました。
既存のゲーム業界の儲けの仕組みはハードとソフトの代金の2本立てですが、実はハードではほとんど儲けが出ておらず、「補完品」であるソフトで稼いでいたのです。