鈴木敏文 仕事の原則

変化する高い要求に応えるには、まず自分が変わり続ける 緒方知行、田口香世

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 「いかなる過去の強者・覇者も、市場やお客様の要求の変化に応えられない者は、衰微・衰退を免れ得ない」――これは、セブン‐イレブンの生みの親・鈴木敏文氏の一貫して変わらぬ哲学である。鈴木氏は「変化への対応」の重要性を、まさにくどいといっていいほど繰り返し強調してきた。本連載では、その哲学を端的に表現した鈴木氏の談話を紹介するとともに、エッセンスを解説する。

鈴木敏文氏の「仕事の原則(6)」

 業績の不振は、一人ひとりの仕事の仕方の問題です。仕事の踏み込みにおいて、従来までの仕事の仕方を変えていかない限り、成績が浮上することはありません。

 逆にいえば、みんながいままでの仕事の仕方をちょっと変えていけば、簡単に成績が上がるということです。その意味において、どうしたら過去の成功事例を忘れられるか──。日本に限らず、世界の先進国の企業の実例も、それを示しています。

 それまで仕事を適当にやっていた者は少ないでしょうし、多くの人は「夜遅くまで一生懸命やってきました」というでしょう。しかし、お客様は、いままでの一生懸命さにそっぽを向いていることを知らなければいけません。

 過去のことを忘れて、新しい提案や新しいことに挑戦しなければならないのです。過去の経験をなまじ持たない素人が、こういうときには非常に大きな強みを持ちます。

 売上が伸びず利益が出ないなら、出るようにしなければなりません。そのためにはお客様の立場に立って、いまこの店に対して持っている不満はどういうことなのか、あるいは、より魅力のある店や売り場にするためにはどうすればいいのかを考えていくこと。これを考えていかないと、いつになっても仕事のやり方は同じになります。自分で行動を変えようと考えない限り、いくら人からいわれても自分の仕事を変えることはできないのです。

 以前私は、デニーズにラーメンを扱うように指示をしたことがあります。ところが幹部たちは、「デニーズはアメリカから持ってきたレストランなのだから、ラーメンを扱うのはおかしい」と、私の提案に反対しました。

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