鈴木敏文 仕事の原則

品質・鮮度で絶対妥協するな、社内の人間関係は関係ない 緒方知行、田口香世

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 「いかなる過去の強者・覇者も、市場やお客様の要求の変化に応えられない者は、衰微・衰退を免れ得ない」――これは、セブン‐イレブンの生みの親・鈴木敏文氏の一貫して変わらぬ哲学である。鈴木氏は「変化への対応」の重要性を、まさにくどいといっていいほど繰り返し強調してきた。本連載では、その哲学を端的に表現した鈴木氏の談話を紹介するとともに、エッセンスを解説する。

鈴木敏文氏の「仕事の原則(3)」

 私たちは食べ物を扱っています。命にかかわる問題を抱えています。お客様の信用を考えたら、商品の鮮度について、絶対に妥協することはできません。味や鮮度のいい商品の追求をおろそかにして、テレビで宣伝して売上を上げようとするのも本末転倒です。

 また、組織内部の人間関係は絶対に考えてはなりません。「こんなことをいえば、商品部に悪い」と思っていたら、落とし穴に陥ります。会社は、経営トップの私のためにあるわけではありません。もっといえば、社員のためにセブン‐イレブンがあるわけではありません。

 だれのためにあるのかといえば、お客様のためです。この考えに徹底することが、結果として、ビジネスに携わる人々に対する報酬として返ってくるのです。これを絶対に間違ってはいけません。

 ところが往々にして社内では、「俺を通せ」「俺のメンツがどうだ」「こんなことをいえばあいつのメンツをつぶす」といったことが優先されます。しかし、こんなことは絶対に許されるものではありません。

 仕事上、正しいことに対して、上も下もありません。既存店の売上が下がってきているとすれば、店に対するお客様の信用度が低下しているということなのです。

 なぜ、お客様の信用度が低下するのでしょうか。私たちが基本を守っていない結果です。私たちの原点になる仕事に対しては、絶対に妥協を許さないで厳しく見つめ直さなければなりません。

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