鈴木敏文 仕事の原則

「昨日と今日とは違う」、変化を感じる観察眼が必要 緒方知行、田口香世

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 「いかなる過去の強者・覇者も、市場やお客様の要求の変化に応えられない者は、衰微・衰退を免れ得ない」──これは、セブン‐イレブンの生みの親・鈴木敏文氏の一貫して変わらぬ哲学である。鈴木氏は「変化への対応」の重要性を、まさにくどいといっていいほど繰り返し強調してきた。本連載では、その哲学を端的に表現した鈴木氏の談話を紹介するとともに、エッセンスを解説する。

鈴木敏文氏の「仕事の原則(1)」

 売り場がマンネリ化している店が多くなっています。セブン‐イレブンでいえば、加盟店のオーナーさんがパートさんに売り場を任せっきりにして、同じパートさんが長いこと同じ売り場を担当している、という場合に起こりがちです。

 もちろん、パートさんの定着がよく、任せられるというのは、とてもいいことです。しかし、ベテランのパートさんだから任せっきりでいいのかというと、そうではありません。

 同じ店の中だったら、売り場の担当を変えるというやり方をとらないと、どうしてもマンネリ化が起こる危険性があります。同じ人がずっとやっていると、いま売れている商品だけをずっと追求することが起こりやすいからです。これはイトーヨーカ堂のようなスーパーでも例外ではありません。

 「いま売れているからいいんだ」ということは絶対にありません。そうだとしたら、新しい商品を売り場に取り入れられなくなります。いままで売れてきたものと、お客様が新たに欲しているもの、そのニーズは、別のものです。去年売れたからといって、「今年も」ということは、まずあり得ないと考えるべきです。先週と今週でも違う。ものによっては、朝昼晩でも違ってきます。

 新しい担当者が「新鮮な目で見ること」の重要性をわかっていないと、なかなか新しい感覚は売り場に入っていきません。セブン‐イレブンにおいても、「これまでよかったのに、業績が落ちてきている」という店があります。オーナーさんが「自分の店はいいんだ」という感覚で商売を見ていると、仕事がマンネリ化し、悪い結果を招いていることが多いのです。

 本当にいい店とは、「かつても現在も、業績が上がり続けている」ところ。もっといえば、周囲に競合店ができているにもかかわらず、業績が伸び続けている店です。競合の度合いもきつくなっていないのに、業績が落ちたり、停滞していたりすれば、店の商売のあり方や担っている人たちの仕事が、マンネリになっているということです。

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