「爆買い」中国人に売る方法

広告は信じない、頼るのはホンネの「口コミ」 CM-RC.com 中国市場戦略研究所代表、多摩大学大学院客員教授 徐 向東氏

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 日本ではいま、中国人観光客による「爆買い」が大きな話題となっています。ただ、中国人が訪れているのは世界の中で日本だけではありません。むしろ、他の国や地域に比べ、日本は中国人観光客の対応では発展途上国といえます。中国人から見ると、日本企業の中国人対応は「間違いだらけ」なのです。中国人の消費性向や心理、行動を知れば、日本製品はもっともっと売れるでしょう。最新の事例を紹介しながら、中国人に売る方法をお伝えしていきます。

中国人はそもそも広告宣伝を信用しない

 中国人は日本人とは全く国民性の違う民族です。中国人全員とはいえませんが、一般的に日本人よりは自己アピールが上手です。企業の広告宣伝もそうです。商品はまだパーフェクトでなくても、宣伝文句はとにかくうまいです。

 しかも、テレビをつけて、雑誌を開いて見ると、やり過ぎと思うほど広告が多いです。広告時間が長過ぎるのは中国のテレビの特徴です。中国でテレビを見ていると、広告時間になれば、少し我慢すればすぐ終わるかな、と思ったら延々と続くので、さすがにへきえきします。

 ドラマの途中に広告があるわけですが、あまりにも広告の時間が長いので、広告放送がメーンで、その間に少しだけドラマが挿入されているのが中国のテレビだと、中国人が揶揄するほどです。結局、中国政府から、ドラマの間に無理やり広告を入れてはならない、という禁止令が出されたわけです。

 中国のファッション誌も、ファッション誌というよりは化粧品のカタログというほうがふさわしいでしょう。読むに堪える内容はほとんどなく、それこそテレビが広告メーンで、わずかながらドラマが挿入されているのと同じように、ファッション誌も広告カタログの中にほんのわずかな内容の記事が飾ってあるようなものです。

 上海の地下鉄も、壁一面に広告、柱にも広告、車窓に広告、車体に広告、車内は液晶モニター広告、タクシーに乗ると、後部座席に液晶広告、オフィスビルやマンションに入ると、壁広告、エレベーター内液晶モニター広告......もう広告で埋め尽くされています。公共空間からプライベートまで、ここまで広告に侵食されていいのかと思うぐらいです。中国は、社会主義市場経済の国だといいますが、広告だけを見ると明らかに行き過ぎた市場経済です。

 ここまで広告があふれる中にいると、広告を真面目に見るというより、広告を敬遠したいというのが多くの中国人の本音でしょう。特にここ数年、有名大企業も食品安全問題をたびたび起こしているので、消費者はすでに企業の広告に関しては、「しょせん、良いことしか言わない宣伝文句」と冷ややかな気持ちで見ています。

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