これだけは知っておきたい マイナンバーの実務

社会や暮らしを「見える化」するインフラ 野村総合研究所 未来創発センター 制度戦略研究室長 梅屋真一郎

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

暮らしを「見える化」する

 マイナンバーは、今後利用・活用の分野が広がっていきます。ただし、そのことはいろいろな波紋を呼ぶことにもなります。

 たとえば任意ではありますが、2018年にも銀行の預貯金口座にマイナンバーを登録する制度がスタートします。「自分の資産がガラス張りになる」とあわてる人がいるかもしれませんが、普通に暮らしている方にとっては、特に問題ありません。とはいっても、税をごまかして資産を積み上げた人間にとっては、預金にマイナンバーを付けられることで情報がガラス張りになるのは好ましくありません。前述のとおり、「不正に手を染めている人間」にとって、「番号制度は厳しい仕組み」なのです。

 同じように、医療分野でのマイナンバーの利用については、まだ議論が続いています。大きく役に立つと期待されている領域は多いのですが、たとえば病歴などがマイナンバーにて一括でわかるようになると、確かにプライバシーの心配があります。

 このように、マイナンバーの活用は拡大するにつれ色々な議論を呼び起こすのです。

 マイナンバーを使うことで一番変わるのは、今まで見えなかったものが見えるようになることです。

 つまり、世の中や暮らしを「見える化する」ことにつながるのです。

 見える化することは、このように波紋も呼びますが、今まで見えなかった課題の発見にもつながります。

 マイナンバーは、そんな課題の解決にも役立つと期待されています。

梅屋 真一郎著 『これだけは知っておきたい マイナンバーの実務』(日本経済新聞出版社、2015年)第1章「なぜマイナンバーが導入されるのか」から
梅屋 真一郎(うめや・しんいちろう)
野村総合研究所 未来創発センター 制度戦略研究室長。東京大学工学部卒業。同大学院工学系研究科履修。システムサイエンス部、NRIアメリカなどを経て、2013年より現職。番号制度に関しては、関係省庁や関連団体との共同検討を多数実施してきた。

キーワード:経営、企画、経営層、管理職、経理、人事、働き方改革、ICT

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。