2020年の「勝ち組」自動車メーカー

日本の自動車産業の復活は本物か ナカニシ自動車産業リサーチ 中西孝樹 氏

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 国内産業と経済が、トヨタの国際競争力にかかっているといっても過言ではない。トヨタがこければ日本が沈没しかねない状況にあり、もはやトヨタの失敗は許されない。ハイブリッド車や燃料電池車などの技術革新に始まり、経済的なデフレ脱却から企業のガバナンス改革、株主還元強化などはもちろん、2020年の東京オリンピック/パラリンピックまでもトヨタに大きく依存する構造になっている。2000年代の小泉改革の末期に見られた、「トヨタ国富論」の世界に逆戻りしているようだ。

 このようにトヨタ1社に様々なことを依存し過ぎる構造は健全ではない。それではトヨタが慢心し、組織が膠着化するリスクを呼び込み、将来のリスクの芽を生み出すことになりかねない。有力な第2位メーカーと切磋琢磨する状況が望ましいのだ。日産やホンダの力量とともに、優勢なドイツ勢への対抗軸となりうる競争と調和を持ったチームジャパンが形成されることが、本来は望ましいのである。

中西孝樹 著『成長力を採点! 2020年の「勝ち組」自動車メーカー』(日本経済新聞出版社、2015年)「第1章」から
中西 孝樹(なかにし たかき)
(株)ナカニシ自動車産業リサーチ代表。1994年以来、一貫して自動車業界の調査を担当し、日経金融新聞・日経ヴェリタス人気アナリストランキング自動車・自動車部品部門、米国Institutional Investor誌自動車部門ともに2004-2009年まで6年連続1位と不動の地位を保った。2011年にセルサイド(証券会社)復帰後、日経ヴェリタス人気アナリストランキング、Institutional Investor誌ともに自動車部門で2013年に第1位。1986年オレゴン大学卒。山一證券、メリルリンチ日本証券などを経て、2006年からJPモルガン証券東京支店株式調査部長、2009年からアライアンス・バーンスタインのグロース株式調査部長に就任。2011年にアジアパシフィックの自動車調査統括責任者としてメリルリンチ日本証券に復帰。2013年に独立し、ナカニシ自動車産業リサーチを設立。著書に『トヨタ対VW 2020年の覇者をめざす最強企業』、日経文庫業界研究シリーズ『自動車』などがある。

キーワード:経営層、経営、技術、ものづくり、グローバル化、イノベーション、国際情勢、M&A

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