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独自の手法で成果あげるキタムラ、良品計画 イー・ロジット代表取締役社長兼チーフコンサルタント 角井 亮一氏

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 同社執行役員EC事業部長の逸見光次郎氏は、「ITを活用する場合、現場がどうしたら楽になるか、改善の本質はどこにあるかを見誤らないことが大切」と言います。専門性の高いスタッフが率先してタブレット型端末を使い、店頭のお客さんと会話を重ねる光景が、日本中のキタムラの店舗で日々、当たり前のように見られています。

アプリで接点づくり狙う良品計画

 「スマートフォンで顧客をつかまえておけば、そう簡単に逃げられることはない」。そういわれることがあります。しかし競合他社を含めて、数多くのアプリが出回っており、実はダウンロードしてもらうだけでは、顧客との関係性強化、顧客との接点づくりで効果をあげることが難しい時代になってきました。

 「最低限、スマートフォンのスクリーン内にアプリがあるかどうかが、顧客接点としての必要条件になる」という人もいます。1人当たり、月に1回以上利用するアプリの数は27個で、月に10回以上使用するアプリの数は9個だそうです(ニールセン調べ)(図表1)。

図表1 ひと月に平均で27個のアプリを利用。そのうち10回以上使用するアプリは9個 出所:ニールセン・モバイル・ネットビュー

図表1 ひと月に平均で27個のアプリを利用。そのうち10回以上使用するアプリは9個

出所:ニールセン・モバイル・ネットビュー

 累積ダウンロード数400万超、良品計画のスマートフォンアプリ「MUJI passport」は、顧客との接点づくりで成功している一例です。

 「無印良品」を運営する良品計画では、2000年にネットストア「MUJI.net」を立ち上げました。現在、その売上規模は約132億円(2014年2月期)、全体の売上に対して5%程度のシェアになっています。そして、2013年5月にスマートフォン専用アプリとしてリリースしたのが「MUJI passport」です。しかし、この「パスポート」は、EC機能への動線を強調していないのが特徴です。

 ECについて、同社では過去に失敗した経験があります。実店舗を出店していないエリアをネット販売で補う戦略を立てたのですが、その見込みははずれ、「MUJI」を知らない顧客はネットでも買わないということがわかりました。以来、コミュニケーションを深めるためにネットは使うけれど、ほかの多くのネット通販のように「どんどん売っていこう」という戦略はとっていません。「パスポート」にもこの考え方が根強く流れています。

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