オムニチャネル戦略

独自の手法で成果あげるキタムラ、良品計画 イー・ロジット代表取締役社長兼チーフコンサルタント 角井 亮一氏

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 同社の横浜にある本部では、EC事業部と商品の仕入れ部門は席が隣り合わせになっています。日常の業務に共同であたることも多いうえ、ネットと実店舗との融合を考えると、日ごろから、両者が一体感を感じられるものになっている必要があるからです。EC事業部にはネットショップ運営での損益予算があるものの、"キタムラのお客さま"に対して、本部と一緒に店舗支援業務を行うことが第一に考えられています。

店舗への送客と接客に重点

 同社にとってオムニチャネルは、「ネットから店舗への送客」「人間力ECによる接客」という位置づけが明確です。「ネットで(情報を)見てくれてお店に来てくれればいい」。そのために充実させているのが、店舗スタッフからの情報発信や、タブレット型端末を使った接客です。

 情報はブログで各店舗から毎日発信し、現在記事は157万を超え、累計6700万もの人が見ています。スマートフォンアプリからの情報に偏らないように、PC発の店舗ブログにも気を配ります。店名、商品名、エリアの書き込みはSEO対策としても不可欠です。

 店頭のタブレット型端末は、もっぱら接客用として利用しています。一画面内に必要な情報がすべて収まったデザイン、PCのECサイトと同じプラットフォームで運用する取り寄せ機能等々、EC事業部が全店舗でヒアリングを行い、改善を繰り返した結果、「タブレットがないと十分な接客ができない」といわれるぐらいのツールに進化しました。

 店舗では、来店目的の高いデジタルプリントや、売上構成比の高いスマートフォンおよび携帯関連グッズが中心になるため、値段が高くアイテム数も多い一眼レフタイプのデジタルカメラや人気の高い中古カメラにあてられるスペースはどうしても狭くなります。

 そこで店頭での在庫不足を補うのがタブレット型端末です。タブレットからでは、4万点を超える商品にアクセスできます。もともとカメラの専門知識を持った販売スタッフが多い同社ですから、タブレットに掲載されている情報+本人の専門知識を駆使してお客さんへの対応にあたれば、顧客満足度の高い接客ができます。

 説明しやすいように、5年間保証や下取りをわかりやすい場所と大きさと色で表記し、ついで買いに誘導できるように関連商品も大きく出ています。さらに、販売スタッフにとっての使いやすさを優先して日々改良を加えていますから、販売ツールとしても高い効果をあげています。ある店舗ではタブレット型端末からの売上が、15~20%にのぼることもあるそうです。

 ネット注文の店舗受け取り、タブレット型端末からの注文は各店の実績になるということも、店舗によるこれらの活動を後押ししています。また、スマートフォンアプリに、「電話で相談」というボタンを付け、相談からの購入で月間1500万~2000万円の売上を出しているそうです。

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