オムニチャネル戦略

独自の手法で成果あげるキタムラ、良品計画 イー・ロジット代表取締役社長兼チーフコンサルタント 角井 亮一氏

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 好きな場所で商品の情報を集め、比較検討し、注文し、受け取る――。スマホの登場で可能になり、買い物や流通・小売業を一変させ始めたオムニチャネル。この連載では、米国のウォルマート、アマゾンや、日本のヨドバシカメラ、東急ハンズ、良品計画などの最新事例を、実地取材をまじえながら紹介し、その可能性や課題に迫ります。

 先行する米企業に追い着こうと、日本でもオムニチャネルの導入が本格化してきました。ここではユニークな取り組みで成果をあげているカメラ販売のキタムラと、「無印良品」を展開する良品計画を紹介しましょう。キタムラでは店員が持つタブレット型端末、良品計画ではスマートフォンのアプリが、それぞれ重要な役割を果たしています。

売り上げ指標が明確なキタムラ

 キタムラは、カメラ・カメラ用品販売、スマートフォン販売、写真プリントの「カメラのキタムラ」を中心に、日本全国に直営900店舗を抱える、創業1934年の会社です。「EC(電子商取引)事業」では、自社サイト(宅配、店舗受け取り)、モール店舗(ヤフー、楽天、アマゾン;宅配のみ)を運営しています。

 同社では、「宅配売上」と「店受取売上」の合計を「EC関与売上」と呼び、それをKPI(重要業績評価指標)に、毎週のようにその数値の進捗状況を確認し合い、成長戦略のかじ取りを行っています。

 宅配売上は「家からネットで注文、宅配便で受け取ったもの」。店受取売上は「家からネットで注文、店舗受け取り」と「店からタブレットで注文、店舗受け取り」の合計です。2016年3月期は全体売上1600億円に対し、宅配売上140億円、店受取売上340億円、合計EC関与売上480億円(いずれも対前年比2ケタ増)を目標数値に掲げています。

 キタムラは、いわゆる量販店とは違い、カメラに詳しいスタッフが常駐し、専門性の高いハードとイメージング(デジカメプリント、画像加工)を中心に取り扱う、ごく近所にあるお店です。キタムラネット会員は現在680万人の登録がありますが、お気に入り店舗から半径5キロメートル以内のお客さんが大半を占めるそうです。

 年3回、つまり4カ月に1回程度、来店するというお客さんが、同社ヘビーユーザーの平均像です。デジカメの被写体になることの多い小さな子どもを抱えた子育て中の母親もよく来店します。デジカメプリントなどの発注は、家事や子育ての合間にネットでするのが便利と思いがちですが、実はすきま時間にするよりも、子どもを連れて出かけ、近所のキタムラで作業をするほうが、手間がかからないそうです。

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