オムニチャネル戦略

打倒アマゾンへ背水のウォルマート イー・ロジット代表取締役社長兼チーフコンサルタント 角井 亮一氏

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 「アマゾン・プライム」と「シッピング・パス」。最終的にどちらが競争力を持つのかはわかりませんが、シッピング・パスが新しいユーザー層をウォルマートの顧客として獲得できるのであれば、十分に成功といえるのではないでしょうか。

圧倒的なバイイングパワーが武器

 また、競合アマゾンとの戦いのなかで、オムニチャネル戦略を強化している同社では、2014年「セービング・キャッチャー(Savings Catcher)」という新たなロイヤルティ・プログラムをスタートさせました。同社アプリをダウンロードし、レシートのバーコードをスキャンするだけで、アプリが自動的に購入商品の価格を地元スーパーの広告価格と比較し、その差額分をeギフトカード上にためる、というものです。

 スマートフォンを持っていないお客さんは、パソコンでレシート番号を入力すれば同じ特典を受けられます。私も使ってみましたが、圧倒的なバイイングパワーを持っているウォルマートなので、競合他社がウォルマートより安い価格で提供していることはほぼないのではないでしょうか。

 ウォルマートは、ロジスティクスの重要性を十分理解している企業ですから、通販専門の物流センターを最適立地に新設し、庫内の仕組みも通販に最適化しています。また、店舗網とそこにある在庫をうまく使い、ロジスティクスの最適化を図っていくと思われます。

角井 亮一著 『オムニチャネル戦略』(日本経済新聞出版社、2015年)第4章「先行するアメリカ―ウォルマートの取り組み」から
角井 亮一(かくい りょういち)
株式会社イー・ロジット代表取締役社長兼チーフコンサルタント。

1968年生まれ。上智大学経済学部を3年で単位終了。米ゴールデンゲート大学でMBA取得。船井総合研究所、光輝物流などを経て現職。イー・ロジットは、現在190社以上から通販物流を受託する国内ナンバーワンの通販専門物流代行会社であり、170社の会員企業を中心とした物流人材教育研修や物流コンサルティングを行う会社。

『小売・流通業が知らなきゃいけない物流の知識』(商業界)、『物流がわかる』(日経文庫)ほか著作多数。

キーワード:管理職、プレーヤー、マーケティング、営業、経営、人材、IoT、AI

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