引き算する勇気

「機能の引き算」が生んだ斬新な商品価値 岩崎邦彦 氏

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「完璧がついに達成されるのは、何も加えるものがなくなった時ではなく、何も削るものがなくなった時である」(サン・テグジュペリ)

 商品の品ぞろえの引き算や、ターゲット顧客の引き算だけでなく、商品開発においても「引き算」が力を発揮する。

 「引き算の商品開発」の考え方自体はシンプルだ。自分が取り扱う商品に関して、一般的な「機能」や「部品」を洗い出し、その中から「何か」を引き算して、「別の何か」に集中する。

 ポイントになるのは、引き算をしたときに新しい価値が生み出されることである。もし、新しい価値が生まれなければ、それは「引き算」ではなく、単に「無駄を省いた」「余分なものを取り除いた」に過ぎない。

 まずは、次の質問に答えてほしい。

Q 上の図に示すものは何だと思いますか? メーカー名と商品名をお答えください。

 全国1000人の消費者に、「メーカー名」と「商品名」を自由に書いてもらった(※1)。

(※1)この調査は「消費者1000人調査」によるもの。全国の20代から60代の男女1000人を対象に実施した。年代と性別は均等に割り付けた。調査時期は2014年1、7、8月、2015年2、5月。調査方法は、株式会社ネオマーケティングが運営するアンケート専門サイト「アイリサーチ」を用いたウェブアンケート方式である。以下、「全国消費者1000人調査」「消費者1000人調査」とはこの調査を示す。また、文中で特に断りがない消費者データについても、すべて出所はこの調査である。

 結果は、次の表に示すとおりである。「角の丸い長方形」と「小さな円」の2つの図形の組み合わせを見るだけで、1000人中481人が「Apple」という特定のメーカー名をあげ、1000人中467人が「iPhone」という特定のブランド名をあげている。

 これは驚くべきことだろう。世の中に、たった1つの「丸」と「長方形」だけで表現できるブランドがいくつあるだろうか。iPhone以外では、「日本の国旗」ぐらいしか思いつかない。

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