孫子・戦略・クラウゼヴィッツ

すべての戦略には使うべき状況がある 中国古典研究家 守屋 淳

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 もともと受験やコンクールなどのように、ライバルが100や1000以上の単位で存在し、お互いがバラバラなケースとは、人工的に作られた「競」の状況がほとんどだ。

 国際関係やヤクザ組織のように、自然発生的にライバルが多数いる状況の場合、「同盟」や「連合」「兄弟盃」による勢力拡大が生き残りや勝利への早道なので、結局10以下の有力勢力に淘汰されがちだからだ。

 そして、ライバルが数十以上の単位で存在する場合には、「己に克つ」こと以上に有効な勝利法は存在しない。逆に、ライバルを意識しすぎるとそのプレッシャーでかえって力を発揮できずに終わることもある。

 ところが、バレリーナやスポーツ選手が靴にガラスの破片を入れられるケースのように、優勝候補が数人にまで絞られてくると、「相手を損なう戦略」が威力を発揮し始めてしまう。人数が減った分、ゼロサムの関係が生まれ始めてしまうからだ。

 この意味で、ライバルの数が「一者」「一桁まで」「それ以上」によってガラッと使うべき戦略や手立てを変える必要が出てくるのだ。

戦略の4象限

 もう1つは「敗北や失敗したときにやり直しの利く度合い」、ないしは「同じ相手と何回も戦うか否か」という軸。

 この両者は「一発勝負なので、同じ相手とは1回限りになりやすい」といった原因と結果の関係になっていて、一覧にすると次のようになる。

 この軸についても、「いくらでもやり直しが利く」「まったくやり直しが利かない」のどちらに寄るかで、使うべき戦略が大きく変わってくる。

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