知的生産経営

情報共有の前に必要な「意識の共有」 ナレッジマネジメントを成功に導くカギは人間系の改革 日本能率協会コンサルティング R&D組織革新センター チーフ・コンサルタント 塚松一也氏

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 逆に、現場のキーマンがKMの実践を引っ張っている組織では、少々トップのKMに対する関心が低くても、比較的うまくいっているようです。KMは、ある種のチームワーク的な要素があり、多くの人は現場のキーマンの盛り上げ努力に呼応して自分も協力的な行動をとろうとするからです。

図表2 ナレッジマネジメントを成功に導くポイント

出所:日本能率協会コンサルティング

出所:日本能率協会コンサルティング

 2つめは、情報の共有の前提条件を整えることです。ここでいう前提条件にはいくつか要素があります。まず、情報の共有方法です。たとえば文書管理システムやグループウェアのどこにどのような情報・知識を保管するようにするかというルールを決めておくということです。意外にも具体的に決めていない組織がいまだにあるようです。

使いたくなるシステムに

 次に、ファイルの再活用のために、PowerPointなどのテンプレートや基本フォーマット等を標準化しておくことです。テンプレートやフォーマットが違うファイルは、それを再利用しようとする際に面倒な調整・修正作業が発生しがちです(違うテンプレートのファイルを修正することがいかに大変かは、実体験された人も少なくないのではないでしょうか)。そのような調整・修正作業があるかと思うと、人間は使いたくなくなるものですし、ひいては共有化しようという気にならないものです。関係者で、使うテンプレート、フォーマットをあらかじめ標準化しておくことがあたりまえに大切です。

 3つめは、情報を見つけやすくする工夫をすることです。いまどき、文書管理システムやグループウェアは、文書をフリーキーワードで検索することができるものがほとんどです。この15年であきらかにツールは便利になってきているのですが、情報・知識の登録方法での工夫を怠ると、検索性が落ちてしまうことがあります。

 たとえば、提案書や報告書の完成品(何十ページもあるファイル)だけを蓄積・共有すると、ある検索ワードで検索実行した際に、あれもこれもとたくさん検索結果として出てきて、絞り込んでいくことが大変になります。そこで、情報を見つけやすくする工夫のひとつとして、ファイルは極力小さい単位、PowerPointファイルで言えば、1ページ(あるいは数ページ)単位で登録しておくという方法が有効です。ファイルが小さくなると、そのファイルに含まれている単語は限定的になりますので、特徴あるワードで検索をした時に見つけやすくなります。そのような登録時の工夫の差が、検索での見つけやすさの差になって表われます。

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