知的生産経営

エコアクション21を使い倒して儲かる会社に変身する方法 エコアクション21審査人 飯田 哲也氏

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「自社がエコになるだけでは、あきません。」

 EA21は自社の製品・サービスの提供を受けた組織の環境負荷(二酸化炭素、廃棄物、水、化学物質等)が削減される取り組みが必須となっています。ガイドラインの中に取り組むことが必要な項目として「グリーン購入」と「製品・サービスへの環境配慮」が規定されています。

 グリーン購入というと、物品の購入のみをイメージしますが、意図するところは、購入する原材料及び製造・販売・提供する製品・サービス等の特性に応じて、「製造段階以前の、企画・開発、設計、資材等の調達段階」での環境配慮を行う取り組みです。言い換えれば、組織にインプットされるもので、このインプットは製造段階以降の、輸送、販売、使用・利用、廃棄・回収等のアウトプットに反映されるものと考えられます。簡単に言うと、グリーン購入は自社の活動や製品・サービスをインプットによりエコにする取り組みで、「製品・サービスへの環境配慮」につながっていくものなのです。「製品・サービスへの環境配慮」は、顧客などの利害関係者を自社の製品・サービスによってエコにする取り組みなのです。

 このことについて、ある設計会社でのやり取りをご紹介します。

「グリーン購入については文房具・備品のグリーン購入を目標とされていますね」 社長「そうです。しかし、購入する備品や文房具はエコ商品と考えられるものはほとんど購入済みです。この目標は削除してもいいのですか?」 「それは、ダメです。それに、購入するのは備品や文房具だけではありませんね。エアコンや車、事務所の電化製品、コピー機などいろいろあります。これらは、常時購入するものではありませんが、購入の際には環境性能を考慮して計画的に購入することを目的としても結構ですよ」 社長「そういえば、去年、社用車をハイブリッド車にしました。コピー機も古いので、来年ぐらいに新しくしようと思っています」 「それでは、とりあえず、設備の更新を目標としてはいかがですか?更に、原材料も考えてはいかがですか?」 社長「原材料?うちは製造業ではありませんし、原材料もありません」 「設計の原材料はたくさんありますよ。例えば、設計基準・建築材料・建築物の環境配慮などの最新情報、建築技術・建築工法などの最新技術は設計の原材料ではありませんか?設計はこのような情報や技術を仕入れて、言い換えれば調達して、それを、お客さんのニーズに合わせて加工して、サービスとして売る商売と考えれば理解していただけると思います」 社長「なるほど、そのように考えれば製造業と同じですね」 「さらに、設備と言えば、パソコンやCAD(コンピューターによる設計)システムのハード・ソフトは製造設備に当たります。また、設計のスキルとして経験や資格は会社としても個人技術者としても調達しなければならない項目と思います」 社長「グリーン購入は物品だけのイメージでした。幅を広げて調達という概念では様々なインプットがあることがわかりました」 「調達するのは経営資源と考えれば人・もの・金・時間・情報・技術というようになって、これらを環境と関連付けて計画していけば良いのです。協力会社などの組織も調達と言えるでしょう」 社長「グリーン購入、いや、グリーン調達は経営に重要な要素であることが分かりました。しかし、エアコンや車は電力や燃料の削減目標達成手段として計画してあります」 「そうですね。設備に類するものは、ほとんどが自社のエネルギー削減につながるものです。情報や技術についても社員のスキルアップにつながるので設計作業の効率化により資源、エネルギー削減になるでしょう。同時に設計品質も向上して顧客満足に寄与することにもなります」 社長「なるほど、そう考えれば、処理速度の速いパソコンに替えたり、効率的な設計ソフトを導入したりすることなどは、自社の負荷削減と同時に環境配慮設計の達成手段にもなるということですね。残業も減るかもしれません(笑)」 「残業が減るのは大きな負荷削減と経費削減です。もう、お分かり頂けたと思いますが、グリーン調達は電力、燃料、廃棄物、水などの削減手段でもあり、それぞれの目標項目で計画されても結構です。今後は、目標にされている"環境配慮設計"のインプットとして計画されてはいかがですか。具体的には、技術セミナーや研修への参加、書籍や関連Webサイトでの建築工法や最新技術の収集などです」 社長「それは、環境配慮設計の目標達成手段として計画しています」 「環境配慮設計はサービスでの環境配慮という要求項目で顧客をエコにする取り組みです。調達した情報や技術をどのように加工してサービスにするかが達成手段となります」 社長「それでは、どのように・・・」 「例えば、収集した情報や技術をどのように設計に生かしていくか、これは、設計会議や顧客との設計打ち合わせで既にやっていることと思います」 社長「そう言えば顧客の要求やクレームなどは最新技術で解決できないかどうか、また、計算間違いや図面のミスなど、毎週の設計会議で話し合っています」 「設計会議で話し合う内容が環境配慮設計の目標達成手段です。情報や技術を加工する方法を話しているのではないですか?」 社長「まさにその通りです。最小部材で安全な構造物の設計、新素材の採用で軽量化による構造材の削減などいろいろです」 「それが、環境配慮設計です。今、おっしゃったことをEA21のPDCAで確実に進歩するように計画すればどうですか?」 社長「これは、業務そのもののマネジメントになります。早速、次回の設計会議で検討してみます」

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