知的生産経営

資本主義史上最大の革命「サーキュラー・エコノミー」は日本企業のビジネスをどう変えるのか アクセンチュア戦略コンサルティング本部マネジング・ディレクター 朝海伸子氏に聞く

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変化の果実を手にするのは誰か?

 天然資源が枯渇に向かっている現在、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済がサーキュラー・エコノミーに転換していくことは必然であると朝海氏は言う。その不可避の変化の中に、日本企業はいかにビジネスチャンスを見出していけばいいのだろうか。

 「日本のメーカーが得意とする高品質なものづくりは、サーキュラー・エコノミーの中でも重要な要素となるはずです。昨今は新興国で大量生産された安価な製品が市場を席巻していますが、多くのユーザーがシェアしたくなるような製品、稼働率が上がっても簡単には壊れないような製品をつくるのは、まさしく日本企業の力の見せどころだと思います。また、売り切り型のビジネスがサービスビジネスに転換していけば、消費者との接点が増え、日本企業の伝統である非常にきめ細やかなカスタマーサービスやおもてなしの精神がいっそう重要になるでしょう」

 無駄を富に変える過程には、様々な経済波及効果が生じる。素材や部品を再利用するものづくりを実現しようとすれば、素材回収やリサイクルにかかわるビジネスが必要になる。シェアリングビジネスを成立させるためには、製品共有のためのプラットフォームを効率的に運用するビジネスが求められる。製品寿命を延ばそうとする過程では、製品の修繕やメンテナンスのビジネスが盛んになるだろう。それら大小のビジネスが相互に連関することで、より大きな「循環」が生まれる。その循環の一部を占めることができれば、中小・中堅規模の企業も、この「資本主義の革命」を自らのビジネスチャンスとできるはずである。いずれにしても、ビジネスモデルやそれに付随するオペレーション、組織に至るまで、問われているのは「レガシーにとらわれない大胆な革新と変化のスピード」(朝海氏)だ。

 「資源を使って製品を生み出し、それを消費し、廃棄する」モデルから、「循環」による無駄の削減によって収益を生み出すモデルへ。その転換にいかに成功するかが、これからの企業の成長を大きく左右することになるかもしれない。

キーワード:経営、企画、経営層、管理職、プレーヤー、技術、イノベーション、IoT、ICT

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