知的生産経営

資本主義史上最大の革命「サーキュラー・エコノミー」は日本企業のビジネスをどう変えるのか アクセンチュア戦略コンサルティング本部マネジング・ディレクター 朝海伸子氏に聞く

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顧客起点で広がるビジネスチャンス

 「カーシェアリングが広まれば、車の所有者は減りますが、1台の車の稼働率は上がるので、それだけ製品の交換時期は早まるでしょう。例えば、これまで10年乗っていた車を、3、4年で買い換えることになるわけです。そのぶん新製品への需要が増えますし、従来よりも小まめなメンテナンスも必要になります。そう考えれば、メーカーが市場に投入すべき製品が大きく減ることはなく、むしろ利用者が増えて全体でみた市場規模は大きくなると考えられます。一方、製品を売り切るのではなく、メーカー側が保有したままでサービスとして提供し、継続的かつ長期的に収益を上げていくモデルも今後は広まっていくでしょう」

 製品のサービス化やシェアビジネス拡大の背景にあるのは、消費者の意識や価値観の変化だ。「特に最近の若い消費者は、自分が必要とする瞬間の利便性を重視し、双方向のコミュニケーションを求め、デジタルを駆使して合理的な判断をします。所有すること自体には価値を感じない、むしろ負担に感じる傾向さえあります」と朝海氏は指摘する。

 例えば最近話題のファッションレンタルアプリの「メチャカリ」は、毎月定額で新作の洋服を貸し出した後、使用した洋服を中古販売することで、洋服を無駄なく使いながら、収益を刈り取る仕組みだ。ヤマダ電機は、消費者から買い取った中古家電を子会社工場で修理して再販売する中古家電事業を拡大しているが、それを支えているのは、「必要な機能が使えれば、割安な中古で十分」といった消費者の姿勢の変化と、新品を上回る高い利益率だ。

 このようにサーキュラー・エコノミーの多くは、製品起点ではなく、顧客起点のビジネスモデルであるという点も特徴的だ。「従来なら10年に1度車を買いに来たときだけしか接点がなかったような顧客とも、移動するたびに接点を持ち続けることになる。そこで得た情報をどう付加価値に転換し、顧客体験を向上させていくかが問われているのです」(朝海氏)。

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