知的生産経営

「巧い、速い」を磨き、大企業にない価値を インダストリー4.0 中小企業の飛躍に向けて ローランド・ベルガー代表取締役社長 工学博士 長島 聡氏

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オープンなインフラ整備の必要性

 こうした中小企業の個別の取り組みを、大きなうねりにしていくためには、少なくとも2つのインフラを整備する必要があります。デジタル技術の基盤となる通信技術や多数の設備のモニタリングと制御を安価に提供するインフラと、各中小企業が持つ要素技術を周知・活用するためのインフラです。前者では規格のオープン化を推進し、早期にスケールメリットを創出する必要があります。

図表2 整備すべき2つのインフラ

出所:ローランド・ベルガー

出所:ローランド・ベルガー

 後者はクラウド技術をフル活用して、デジタル空間上に、レベルの高い様々な要素技術が常に交流する場を構築するイメージです。そこでは、イノベーションを実現したい大企業が、集まった多数の中小企業と常に対話をしています。それぞれの中小企業はNo.1を持っているので、それらの組み合わせでイノベーションが加速されます。

 また、一度こうした交流の場ができると、独自性に乏しく業績の上がらない中小企業に、選択と集中のポイントを指南することもできるようになります。参加企業のスキルマップとその活用状況を見渡せば、イノベーションに効くホワイトスペースを見つけることができるからです。

 ほぼ全ての日本企業がリソースのひっ迫に悩みを抱え、イノベーションが停滞する中、大企業、中小企業に限らず、日本の英知を結集していくことが必要です。デジタル技術を人の強化に活用して、企業と企業、人と人の対話の密度を段違いに高め、イノベーションを促進する、言わばInternet of Human(IoH)を強力に推進することが、今の日本には求められているのではないでしょうか。

長島 聡(ながしま さとし)
ローランド・ベルガー代表取締役社長 工学博士

早稲田大学理工学研究科博士課程修了後、早稲田大学理工学部助手、各務記念材料技術研究所助手を経て、ローランド・ベルガーに参画。2015年11月から現職。自動車、石油、化学、エネルギーなどの業界を中心として、R&D戦略、営業・マーケティング戦略、ロジスティック戦略、事業・組織戦略など数多くのプロジェクトを手がける。現場を含む関係者全員の腹に落ちる戦略の実現を信条に「地に足が着いた」コンサルティングを志向。

キーワード:経営、企画、経営層、管理職、プレーヤー、技術、イノベーション、IoT、ICT

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