知的生産経営

「巧い、速い」を磨き、大企業にない価値を インダストリー4.0 中小企業の飛躍に向けて ローランド・ベルガー代表取締役社長 工学博士 長島 聡氏

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 欧州では、IoTやデジタル技術を活用して製造業の復権が行われています。IoTですべての生産設備や部品、半製品、製品をインターネットにつなげて状況をリアルタイムにつかむ「異次元の見える化」を進めています。そして、見えてきた様々な課題に対して、人間と対話するロボット、3Dプリンターといった新な加工設備、コンピューターシミュレーション等を使った「圧倒的な機動力」で、サプライチェーンやエンジニアリングチェーンの組み替えを行っています。

 こうした生産性向上の取り組みの中、日本企業はどうすべきでしょうか。デジタル技術をテコに現場力を強化して、お客様起点の付加価値創出を目指す。そうした付加価値を段違いのスピードで創出するためには、自前主義を捨て、力のある会社とチームを組み、チーム一丸となって取り組むことが重要です。もちろん、このチームは大企業だけでは成り立ちません。4.0時代、中小企業がこのチームの重要な一員となって活躍することが求められているのです。

No.1の要素技術を磨く

 お客様へ提供する付加価値を創出する上でカギを握るのは、付加価値創出に必要となる要素技術における圧倒的な優位性の構築です。例えば、メカニカルな部品であれば、単体での性能が良く、構造がシンプルであれば、つまり素性が良ければ、その制御に必要なセンサー、回路、ソフトウェアへの依存は減り、付加価値創出のコストが大幅に低減されます。

 また、モジュールの組み合わせで多様な製品を生み出す場合にも、モジュールそのものが小型・軽量であれば、ジオメトリーの制約が減少し、生み出せる製品の幅は大きく広がります。生産の場合も同様です。設備の小型・軽量化、省エネルギー化などを追及することで製品原価を大幅に減らすことができるのです。また、リードタイムを短縮すれば、お客様にぴったりの製品をお客様の求めるタイミングに合わせて提供できる確率が高まります。

 中小企業がこの付加価値創出のチームにおいて活躍するためには、最終製品を構成する要素技術の少なくとも1つでNo.1になる必要があります。他社にはできない複雑な加工や高い精度を実現できる、他社では削れない材料を削れる、他社に比べてリードタイムを半分にできるなど、なんでも良いのでNo.1を作ります。

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