訪問しなくても売れる!「営業レター」の教科書

顧客が欲しがる「営業マンが隠す」情報 営業サポート・コンサルティング株式会社代表取締役 菊原 智明

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

■他のお客様の失敗例は「お役立ち情報」最強のネタ

 お客様にとって本当に役に立つ情報のネタの2つめは、「他人の失敗例」だ。「失敗例? 成功例の間違いじゃないの?」と思うかもしれない。

 ここで、あらためてよく考えてみてほしい。私も含め、ほとんどの人は「いい商品を購入したい」「いい条件で購入したい」と思っている反面、「自分だけは絶対に失敗したくない」と強く思っているのではないか?

 商品といえばカタログがつきものだが、そこには失敗例というものはきわめて少ない。たとえば住宅会社の実例集に載っているのは、見るからにお金のかかった贅沢でハイセンスな家ばかり。40畳大のリビングに巨大な吹き抜け――。どう考えても一般人の住む家ではない。そんな別世界の実例を見せたところで、お客様から共感を得ることはできない。

 実例集を見たお客様はこう思っている。

 「ため息が出るほどすごいけど、こんなのウチにはとうていムリね」

 実例集の家が豪華であればあるほど、お客様の気持ちは沈んでいく。しかし、そんな現実とはかけ離れた実例集よりも、お客様が興味をもつことがある。

 それが「失敗例」なのだ。

 たとえば住宅業界の場合、「コンセントの位置をよく考えていなかった!」といった入居後のお客様の失敗例があったら、ぜひ知りたいのではないだろうか?

 商品の情報はカタログやインターネットで比較的容易に手に入るが、お客様の失敗例はそうはいかない。そういった失敗例を、これから検討するお客様に向けて送る。そうすれば、今までの何倍も真剣にお役立ち情報を読んでくれるようになるだろう。

菊原 智明著 『訪問しなくても売れる!「営業レター」の教科書』(日本経済新聞出版社、2016年)第3章「シリーズ化であなたの印象度がアップ!――『お役立ち情報』」から
菊原 智明(きくはら ともあき)
群馬県高崎市生まれ。工学部機械科卒業後、トヨタホームに入社し、営業の世界へ。自分に合う営業方法が見つからず7年もの間、クビ寸前の苦しい営業マン時代を過ごす。お客様へのアプローチを訪問から"営業レター"に変えたことをきっかけに4年連続トップ営業マンに。約600名の営業マンの中においてMVPを獲得。2006年に独立し、営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。上場企業への研修、コンサルティング業務、経営者や営業マン向けのセミナーを行う。2010年からは関東学園大学で、全国でも珍しい"営業の授業"を行う。また、社団法人営業人材教育協会の理事として、営業を教える講師の育成にも取り組んでいる。2015年までに48冊の本を出版。ベストセラー、海外で翻訳多数。

キーワード:プレーヤー、マーケティング、営業、企画、経営

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。