戦略にこそ「戦略」が必要だ

危機の淵で投資を続けたアメックスの英断 ボストン コンサルティング グループ M・リーブス氏、K・ハーネス氏、J・シンハ氏

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秘訣と落とし穴

 外的衝撃の結果、あるいは競争基盤の変化に適応できなかった結果、リニューアル型戦略を必要とする苦難に直面する企業が増えている。こうしたなかで、リニューアルやトランスフォーメーションのプログラムは企業のあいだに広がりつつあるが、大きな投資が必要となるにもかかわらず、成功するケースは稀にしか見られない。

 リニューアル型戦略の成功例と失敗例を比較分析したところ、成功した場合に長期にわたり創出される株主価値の現在価値を計算すると、失敗した場合との差は、その企業の現在の企業価値に相当するほどであることがわかった。

 とはいえ、こうした取り組みの4分の3は、短期的および長期的なTSR(株主総利回り)を業界平均レベルまで引き上げることにさえ失敗している。戦略的リニューアルを成功させるカギは、相反するように思われる2つの段階――1つは窮状からの脱出に専念すること、もう1つは成長へのフォーカス――を通してマネジメント、調整、方向転換を行う能力だ。次の表に、企業が成功の確率を高めるために留意すべきいくつかの秘訣と落とし穴をまとめておく。

<FONTBOLD />リニューアル型アプローチにおける成功と失敗の主な要因</FONTBOLD></p><p>

リニューアル型アプローチにおける成功と失敗の主な要因

マーティン・リーブス、クヌート・ハーネス、ジャンメジャヤ・シンハ 著 『戦略にこそ「戦略」が必要だ』(日本経済新聞出版社、2016年)第6章「リニューアル型戦略アプローチ ―― 生存能力を高める」から
マーティン・リーブス(Martin Reeves)
ボストン コンサルティング グループ(BCG)ニューヨーク・オフィス シニア・パートナー&マネージング・ディレクター。BCGブルース・ヘンダーソン研究所所長。東京オフィスにも8年間在籍し、ヘルスケアを中心とする多国籍企業に対して様々な戦略策定・実行を支援した。2008年よりBCGフェローとして、クライアントサービスと調査研究のバランスを保ちつつ戦略に関わる数多くの論文執筆と講演を行っている。
クヌート・ハーネス(Knut Haanaes)
BCGシニア・パートナー&マネージング・ディレクター。BCGジュネーブ・オフィスのリーダー。BCG戦略プラクティスのグローバルリーダー、BCGオスロ・オフィスのリーダーを歴任。幅広い業界のクライアントに対して、価値創造と成長を軸とした支援を行っている。また、サステナビリティの分野に情熱を傾け、世界経済フォーラム(WEF)、世界自然保護基金(WWF)といった国際的組織とも協働してきた。
ジャンメジャヤ・シンハ(Janmejaya Sinha)
BCGアジア・パシフィック地区のチェアマン、グローバル経営会議のメンバー。アメリカ、イギリス、アジア各国、オーストラリア、インドを含む幅広い地域のクライアントに対し、トランスフォーメーション(構造的改革)、各種事業戦略策定・実行、ガバナンス、ファミリービジネスなどに関わる支援を行っている。共著に『BCG 未来をつくる戦略思考――勝つための50のアイデア』がある。2010年、『コンサルティング・マガジン』誌により、もっとも影響力のあるコンサルタント、トップ25人の1人に選ばれた。

キーワード:経営層、管理職、企画、経営、人材、人事、イノベーション

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