戦略にこそ「戦略」が必要だ

危機の淵で投資を続けたアメックスの英断 ボストン コンサルティング グループ M・リーブス氏、K・ハーネス氏、J・シンハ氏

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企業の活力と競争力を再生させる

 アメックスの事例に見るように、苛酷な環境に直面した企業の活力と競争力を再生させるのがリニューアル型戦略アプローチである。そのような苛酷な状況が生じるのは、戦略アプローチと環境の不適合が長く続いた場合や、外的もしくは内的な衝撃に見舞われた場合だ。

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リニューアル型の戦略アプローチ

 外的環境が非常に悪化し、過去のやり方が通用しなくなった場合、まずは方向転換して経営資源の保全と引き上げに徹し、その後、成長に向けて進むべき方向を設定し直すのが、生き残るだけでなく、最終的にまた繁栄するための唯一の方法である。何よりもまず、できるだけ早い段階で環境の悪化を感知し、「反応」しなければならない。次に、財務上の健全性あるいは企業の存続さえも脅かす目の前の障害に断固として立ち向かうべく、「効率化」を図る。そのために重点事業にフォーカスし、コストを削減しつつ資本を保全する。同時に、リニューアルの旅路の次の段階に向けて資金を捻出すべく、経営資源を確保する。最後に、ほかの4つの戦略アプローチのいずれかに方向転換を図る――環境に合わせて戦略の方向性をリセットし、戦略的にイノベーションを行うことによって、長期的な「成長」と競争力を確保するのだ。

 リニューアル型アプローチは一過性の選択肢であり、しかも現実には、まったく異なる性質の2つの戦略アプローチの組み合わせから成る点で特殊な戦略である。2つのアプローチが求めるものはいくつかの点で衝突するため、両立させるのは難しい。

 絵画の比喩を用いて表現するなら、リニューアル型戦略はキュビズムの絵画に近いかもしれない。キュビズムは過去のさまざまな流派の絵画に見られる複雑性を捨象した表現手法だ。対象を分析・解体し、余分な形状や陰影を取り去り、それらの要素を再構成して新しい視点をもたらす。

あなたの会社の事業環境はリニューアル型か?

 あなたの業界や会社に次の所見が当てはまるなら、その事業環境はリニューアル型である。

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