戦略にこそ「戦略」が必要だ

企業の半数が間違える、戦略の選び方 ボストン コンサルティング グループ M・リーブス氏、K・ハーネス氏、J・シンハ氏

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 経営戦略の新しいコンセプトが登場するたびに、「これこそが万能の戦略だ」と言わんばかりに新コンセプトを持ち上げる向きが出てくる。ブルーオーシャンのときも、アジリティのときもそうだった。当然のことながら、こうした経営戦略には向き・不向きがあり、それを無視して飛びつけば失敗する。

 調査した企業の約半分は、何らかの観点で環境に合わない戦略アプローチを採用している。本連載は、事業特性や環境に応じて、自社に即した「戦略アプローチ」を選び取るための戦略を解説する。

戦略パレット

 戦略とは本質的に問題解決であり、最良のアプローチは直面する具体的な問題により異なってくる。いかなる環境にあるかが、求められる戦略アプローチを決定づけるのだ。したがって、環境を評価したうえで適切なアプローチを適用する必要がある。

 しかし、事業環境の特性はどのように定義すべきなのだろうか。また、勝利への道筋を策定するのにどの戦略アプローチが最適かを、どうやって判断するのか。

 事業環境は、識別しやすい3つの特質によりタイプ分けすることができる。3つの特質とは、「予測可能性」(将来の変化を予測できるか?)、「改変可能性」(自社単独で、あるいは他社と協業して、つくり変えることができるか?)、「苛酷さ」(生き残れるか?)である。この3つを軸としてマトリクスを作成すると、環境は5つの型に分類できる。そして、それぞれの象限で異なる戦略・実行アプローチが求められる。

クラシカル(伝統)型:予測できるが、つくり変えることはできない

アダプティブ(適応)型:予測できず、つくり変えることもできない

ビジョナリー(ビジョン牽引)型:予測でき、つくり変えることができる

シェーピング(協創)型:予測できないが、つくり変えることができる

リニューアル(再生)型:リソースの制約が厳しい

<FONTBOLD />戦略パレット</FONTBOLD> 5つの環境と戦略アプローチ

戦略パレット 5つの環境と戦略アプローチ

5つの戦略タイプ

 それぞれの環境には、それに対応する特有の戦略アプローチの型(戦略パレットの色)がある。

 予測可能なクラシカル型の環境では、規模や差別化、組織能力による優位性に基づくポジショニングの戦略が役に立つ。これは、徹底的な分析や計画立案により構築できる。

 アダプティブ型の環境においては、急速に変化し、予測し難い状況では計画が機能しないため、継続的な実験が求められる。ビジョナリー型の環境では、新市場を創り出すか既存市場を破壊する最初の企業になることにより勝利がもたらされる。シェーピング型の環境では、さまざまなステークホルダーの活動をオーケストラのようにうまく編成して彼らと協業することで、自社に有利な方向に業界を形成できる。

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